2015 Fiscal Year Annual Research Report
シュプリンガー多様体のシューベルトカルキュラスと組合せ的差分商作用素の研究
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15J09343
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
堀口 達也 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ヘッセンバーグ多様体 / シュプリンガー多様体 / シューベルトカルキュラス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、私は正則なヘッセンバーグ多様体のコホモロジーの研究(阿部拓氏、原田芽ぐみ氏、枡田幹也氏との共同研究)とシュプリンガー多様体のシューベルトカルキュラスの研究(阿部拓氏、原田芽ぐみ氏との共同研究)を行った。 正則なヘッセンバーグ多様体については、当初の研究目的である「正則な冪零ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環と正則な半単純ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環の対称群の作用に関する不変な部分環が次数付き環として同型であること」を証明した。さらにこの結果を用いて、グラフ理論と関連があるShareshian-Wachs問題「正則な半単純ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環の上の対称群の表現のフロベニウス指標=ヘッセンバーグ関数から定まるグラフのchromatic quasisymmetric functionの双対」が部分的に正しいことが得られた。具体的には、Shareshian-Wachs問題における両辺をシューア関数の1次結合で書いたときに、1行からなるヤング図形に対応するシューア関数の係数が一致することが得られた。これらの結果をpreprintの形としてarXivに投稿し(arXiv:1512.09072)、執筆中にBrosnan-ChowによりShareshian-Wachs問題が肯定的である証明が発表された。 シュプリンガー多様体のシューベルトカルキュラスについては、旗多様体のシューベルト類をシュプリンガー多様体のコホモロジーに制限したものたちの中から、シュプリンガー多様体のコホモロジーの組合せ的な基底の予想を立て、その予想が今年度初めに証明できたものと思っていた。しかし、証明にギャップが見つかり、そのギャップを埋めることに時間を費やした。現在もまだそのギャップを埋めることはできず、来年度も引き続きこの予想の解決を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1つ目の研究「正則なヘッセンバーグ多様体のコホモロジー」(阿部拓氏、原田芽ぐみ氏、枡田幹也氏との共同研究)については、当初の研究計画の通り研究目的が達成された。さらに他分野と関連があることも分かり、その応用や新たな問題も得られた。来年度も新たに得られた問題に取り組む予定である。 2つ目の研究「シュプリンガー多様体のシューベルトカルキュラス」(阿部拓氏、原田芽ぐみ氏との共同研究)については、旗多様体のシューベルト類をシュプリンガー多様体のコホモロジーに制限したものたちの中から、シュプリンガー多様体のコホモロジーの組合せ的な基底の予想を立てることはできたので、その予想の解決を来年度も引き続き行いたいと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
1つ目の研究「正則なヘッセンバーグ多様体のコホモロジー」については、グラフ理論と関連があるShareshian-Wachs問題が肯定的に解決されたBrosnan-Chowの論文から、今回得られた我々の結果が自然に拡張できるのではないかという問題が得られ、来年度も引き続きこの問題に取り組みたいと思う。 2つ目の研究「シュプリンガー多様体のシューベルトカルキュラス」については、旗多様体のシューベルト類をシュプリンガー多様体のコホモロジーに制限したものたちの中から、シュプリンガー多様体のコホモロジーの組合せ的な基底になるものに関して我々が立てた予想の解決を行いたいと思う。
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Research Products
(6 results)