2017 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラ成立過程の初期段階を緑藻細胞内共生リケッチアを用いて解明する
Project/Area Number |
15J09494
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川舩 かおる 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞内共生 / 遺伝子水平伝播 / ゲノム進化 / リケッチア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、緑藻細胞内に共生するリケッチア"Candidatus Megaira polyxenophila"(通称 “MIDORIKO")のゲノム情報を用いて、細胞内共生体遺伝子水平伝播の段階的発展によってバクテリア共生体がホストによる制御を受ける過程を解明することを目的とする。 前年度解読したMIDORIKOゲノム配列を用いて、近縁リケッチア目バクテリアには存在しない遺伝子を探索し、系統解析を実施した。結果、スペルミジン/プトレシントランスポータをコードするオペロンのアミノ酸配列が、デルタ・ガンマプロテオバクテリアと近縁な位置関係となり、他綱のバクテリアの水平伝播に由来すると推測された。スペルミジンは細胞内バクテリアにおいて細胞内環境への適応に関与すると考えられており、MIDORIKOはホスト細胞内環境への適応の過程でオペロンを獲得した可能性がある。 また、MIDORIKOからホストへの細胞内共生体遺伝子水平伝播の規模を解明するため、東京農業大学と共同で、ホスト緑藻カルテリアNIES-425株(ホスト株)および非ホストカルテリアNIES-424株(対照株)のトランスクリプトーム解析を実施した。結果、ホスト株と対照株双方のトランスクリプトームデータから、MIDORIKO遺伝子配列に類似した配列を断片的に持つ転写産物を発見したが、発現量は低く、真核生物の遺伝子発現構造を持たなかった。対照株から発見されたMIDORIKO類似配列はホスト株とは異なるため、コンタミネーションではなく、過去にMIDORIKOに近縁なリケッチアが一時的に共生し、消失した可能性がある。 本研究から、相互依存的な共生関係が成立していない段階でも、既に細胞内共生体遺伝子水平伝播の初期段階である、共生体配列のホストゲノムへの水平伝播が生じうる一方、機能遺伝子として発現するまでには至らないことが推測された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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