2016 Fiscal Year Annual Research Report
鉄系超伝導体の新奇ギャップ構造に迫る磁束量子をプローブとした新方法論の確立
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15J09645
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 達典 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50793775)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 鉄系超伝導体 / 超伝導ギャップ / 磁束フロー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、鉄系超伝導体が有すると考えられる新奇な超伝導ギャップ構造(特に、多ギャップ性および符号反転s波対称性)に着目し、[A]超伝導バルクの移送に敏感な「磁束フロー抵抗率の面内磁場角度依存性測定」、[B]多ギャップ性に起因する「非整数磁束量子の解離現象の観測」という新たな超伝導ギャップ構造探索手法の確立を目的としている。 初年度の実績報告書に記載の通り、課題[A]に要する金属部品の調達に時間を要したため、初年度には2年度の研究計画を前倒しして遂行している。そのため、2年度目である本年度は、主に課題[A]の研究計画を遂行した。 具体的には、磁束量子の運動に伴う散逸(磁束フロー抵抗率)の試料結晶軸に対する磁場の角度依存性を測定すべく、空洞共振器(TE011モード、共振周波:数50 GHz)を作製した。当初の計画では共振器と回転機構を組み合わせ、外部から角度制御しながらの測定を想定していたが、近隣研究室の所有するベクトルマグネットが利用できるようになったため、より精度良く測定できるベクトルマグネットを用いた測定に向けて、再設計・作製を行なった。共振器は無酸素銅製であり、より詳細な温度変化が行えるようホットフィンガー式構造を採用した。室温においても11,000以上のQ値を持つ高い共振特性が得られ、超伝導試料・誘電体試料の導入による共振特性の変化を確認した。 その後、年度途中の10月から東北大学金属材料研究所へと移籍したため、出張や週末等を活用して東京にて装置改良・測定を実施し、仙台にて解析等を継続しているが、本研究課題の目的とする磁場角度依存性の理解のためには、更なる測定データの積み重ねが必要である。 また、測定対象となるFe(Se,Te)単結晶および薄膜を合成し、それらの基礎物性測定を含む内容を国内外の学会・会議にて報告した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)