2016 Fiscal Year Annual Research Report
植物免疫シグナリングネットワークのダイナミクスの解明
Project/Area Number |
15J09701
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
峯 彰 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 植物免疫 / 植物ホルモン / サリチル酸 / PAD4 / シグナリングネットワーク / 遺伝子発現ダイナミクス / 罹病性 / 抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物免疫システムはPTIとETIの二段階の抵抗性反応から構成される。PTIは、病原体に抑制されてしまう脆弱な抵抗性である。結果、植物は罹病性を示す。一方でETIは、病原体に対しても有効な頑強な抵抗性である。昨年度実施したPTIとETIにおける遺伝子発現プロファイルの比較解析から、免疫関連遺伝子の迅速な発現が、ETIによる病原体の封じ込みに必要であることが明らかになった。このETIにおける迅速な遺伝子発現には、免疫シグナル因子であるサリチル酸とPAD4が必要であることも示した。すなわち、植物は病原体感染のごく初期に迅速に遺伝子発現制御を行うことによって抵抗性を発揮することが示された。今年度は、ETIのごく初期に特異的に発現誘導が見られる転写因子に注目して研究を進めた。サリチル酸とPAD4非依存的にETIの初期に発現誘導される転写因子を26個同定した。プロモーター解析等のバイオインフォマティクスを駆使して、解析候補転写因子の中からERF6とその標的遺伝子を選抜した。ERF6は免疫受容体遺伝子、MAPキナーゼ 、WRKY転写因子のプロモーターに結合して、これらの遺伝子の迅速な発現に貢献することを明らかにした。さらに、ドミナントネガティブ型のERF6を過剰発現したシロイヌナズナでは、ETIが損なわれることを示した。すなわち、ETIのごく初期には、サリチル酸とPAD4非依存的なシグナリングが、ERF6などの発現誘導を通じて迅速な免疫遺伝子の発現に貢献していることが明らかになった。また、平行して行ってきたプロジェクトの一つであるジャスモン酸シグナリングによるサリチル酸の蓄積制御の分子機構に関する論文がEMBO reportsに掲載された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] The Arabidopsis CERK1-associated kinase PBL27 connects chitin perception to MAPK activation2016
Author(s)
Yamada K, Yamaguchi K, Shirakawa T, Nakagami H, Mine A, Ishikawa K, Fujiwara M, Narusaka M, Narusaka Y, Ichimura K, Kobayashi Y, Matsui H, Nomura Y, Nomoto M, Tada Y, Fukao Y, Fukamizo T, Tsuda K, Shirasu K, Shibuya N, Kawasaki T.
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Journal Title
EMBO Journal
Volume: 35
Pages: 2468-2483
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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