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2016 Fiscal Year Annual Research Report

時空の絶対説と関係説の対立がもたらす物理理論の決定不全性についての哲学的考察

Research Project

Project/Area Number 15J09715
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

杉尾 一  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2018-03-31
Keywordsライプニッツ / 関係説
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度は、ライプニッツ-クラーク往復書簡をもとに時空の絶対説と関係説を比較検討し、特に、関係説の主張を精査した。今年度における研究の中心課題となったのは、エルンスト・マッハが主張した原理(マッハ原理)を踏まえた時空の関係説の立場からの物理量概念についての分析である。
かつて、ライヘンバッハは、アインシュタインが築いた相対性理論によって、ニュートンが主張した時空の絶対説は否定され、ライプニッツが主張した時空の関係説に軍配が上がったと主張した。確かに、アインシュタインは、ライプニッツの時空の関係説について知っていた。しかし、相対性理論が否定したのは、物理学の前提となっていたニュートン以来の絶対時間と絶対空間という時空像であり、事物より先に時空が絶対的に存在するという意味での時空の絶対説を否定したのではない。事実、相対性理論それ自体は、事物に先んじて時空多様体を要請する理論となっている。そして、時空多様体上の物理的対象は、それ自体が何ものにも依存することのない固有の物理量を属性として持っていることになる。相対論では、物理的対象と時空は互いに影響を及ぼし合うものの、あくまで互いに独立した存在ということになる。
ところが、ライプニッツの影響を受けたマッハ原理にもとづけば、物理的対象の質量は、事物との関係性の中で決定されることになる。このマッハ原理は、関係説の立場から質量概念を解釈しなおしたと考えられるものであるが、現代物理学の文脈において、ライプニッツの時空の関係説を再解釈するのであれば、質量という特殊な物理量のみに着目していてはいけない。位置や運動量といった空間に関する物理量を、時空に依存することなく事物との関係の中で定義することが必要になるだろう。平成28年度は、このような着想のもと研究を行い一定の成果が出たが、研究発表は小規模研究会にとどまり、論文作成には至らなかった。

Research Progress Status

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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