2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15J10041
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 禎暢 横浜市立大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 膵島移植 / 糖尿病 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においては、アルバータ大学で分離されたヒト膵島を横浜市大に移送し、その後の実験に利用可能であることを見出した。具体的には、ヒト膵島と血管内皮細胞、間葉系幹細胞を至適条件下で培養することにより、血管構造を伴う3次元組織(血管化膵島)を創出することに成功した。免疫不全マウス頭蓋内への移植を行ったところ、豊富な血管ネットワーク構造が再構築可能であることを見出した。ホスト血管と統合された組織であることを確認する手法として、抗体染色などを組み合わせることによりin vivoライブ観察による評価系を確立した。これらを活用することにより、ヒト膵島から創出した血管化膵島における血管系を可視化することに成功した。血管化膵島の創出を試みる研究成果は、膵・膵島移植研究会のシンポジウムや再生医療学会にて発表を行い、好評を得た。さらに、研究成果の一部は権威ある国際学術誌へ投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度においては、ヒト組織(主に膵島など)を用いた血管化組織の作製やその特性解析とその課題整理などを適切に実施し、重要な成果を多数創出していることから、基礎研究の成果を臨床応用に結びつけるプロセスが円滑に進んでいると考えられる。これらの研究成果は、学会シンポジウム等にて発表を行い、権威ある国際学術誌に論文投稿を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトiPS由来膵原基の移植により、機能的な膵島が再構成可能であるか否かを検証する。膵原基を頭部観察窓内へ移植することにより、血管系の再構成とインスリン分泌能発現の関連性を三次元的に可視化する。血流の可視化は、蛍光色素の尾静脈注により行う。また、3D画像解析ソフトウェアを用いて、細胞の三次元配置情報、分裂パターン、血管径、血管密度を経時的・定量的に解析する。血清中に分泌されるヒトC―ペプチド、インスリン等をELISA法により測定することにより機能性を評価すると共に、移植後のiPS由来膵原基を経時的に組織学解析を行うことにより、生体膵島と類似性を評価する。微細構造の形態学的解析により、細胞極性が適切に再現されているかについても評価する。さらに、糖尿病モデルマウスに、ヒトiPS由来膵原基を移植することで、糖尿病治療効果の検証を試みる。薬剤により劇症1型糖尿病を誘導した後、移植による生存率の改善効果を測定し、ヒト膵島由来ホルモン分泌量や血糖に対する反応性等を評価することにより、治療効果を有するか否かを検証する。
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Research Products
(4 results)