2015 Fiscal Year Annual Research Report
心臓のミクロ熱力学:局所熱パルス法を用いた心臓の機能制御と熱物性測定
Project/Area Number |
15J10205
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大山 廣太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 心臓 / 熱パルス / サルコメア / 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は局所熱パルス法によって心機能を制御するとともに、心臓の感温機構やミクロな熱伝導を理解する基盤構築を目指す。すなわち「心臓のミクロ熱力学」を創成することを最終目標とする。具体的には、局所熱パルス法と心臓のイメージングシステムを組み合わせることで、Ca2+変化を伴わない心筋細胞の加熱収縮を、in vivoマウス心臓で誘発する。マクロ情報(心電図・心内圧)とミクロ情報(サルコメア動態)を同時計測し、心臓機能を熱的に制御する新たな手法を構築する。さらには、心臓の局所的な温度測定・熱伝導解析によって、心臓内の局所的な熱の流れを理解する物理的基盤を構築する。 研究初年度である2015年度では、生きたマウス内心臓のサルコメア収縮を可視化するイメージングシステムの構築を行った。Z線に局在する蛍光タンパク質α-actinin-AcGFPを、アデノウイルスを用いて心臓内の心筋細胞に発現させ、高速共焦点顕微鏡による蛍光観察から、サルコメアの収縮を高時空間分解能で測定可能な顕微システムを構築し、マクロパラメータである心電図・心内圧とサルコメア動態の同時計測に成功した。続けて、サルコメア長とカルシウム変化の同時計測が可能な蛍光タンパク質を作成し、培養心筋細胞における単一サルコメアでの興奮収縮連関(E-Cカップリング)の可視化に成功した。さらには、局所熱パルス法を生きたマウス内心臓に応用することで、心筋細胞の加熱収縮を誘発することに成功。これらの成果により、日本生理学会入澤宏・彩記念若手研究奨励賞 (心臓・循環部門)を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り研究を遂行し、成果の一部は論文掲載することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り研究を推進する。
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[Journal Article] Nano-imaging of the beating mouse heart in vivo: importance of sarcomere dynamics, as opposed to sarcomere length per se, in the regulation of cardiac function2016
Author(s)
Fuyu Kobirumaki-Shimozawa, Kotaro Oyama, Togo Shimozawa, Akari Mizuno, Takashi Ohki, Takako Terui, Susumu Minamisawa, Shin’ichi Ishiwata, and Norio Fukuda
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Journal Title
J. Gen. Physiol.
Volume: 147
Pages: 53-62
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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