2016 Fiscal Year Annual Research Report
心臓のミクロ熱力学:局所熱パルス法を用いた心臓の機能制御と熱物性測定
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15J10205
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大山 廣太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 心臓 / 熱パルス / サルコメア / 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では心臓のイメージング手法と局所加熱法を組み合わせることで、細胞内Ca2+変化を伴わない心筋細胞の加熱収縮を生きたマウス内心臓で誘発し、心臓機能を熱的に制御する新たな手法の構築を目指す。そのために、心筋細胞のミクロ情報(収縮や細胞内Ca2+変化)を高時空間分解能でイメージング・解析するとともに、マクロ情報(心電図・心内圧)も同時に計測し、赤外光による心臓の局所加熱の影響を単一細胞レベルから心臓まで異なる階層で評価する。2016年度では、主に以下の研究を遂行した。 ①昨年度に引き続き、筋横紋構造(サルコメア)の収縮とその局所でおこるCa2+変化の同時計測が可能な蛍光タンパク質の開発を進めた。新生仔ラットから採取した培養心筋細胞における単一サルコメアでの興奮収縮連関(E-Cカップリング)を解析し、共同第一著者としてJ. Gen. Physiol.に論文を発表した。 ②ラット灌流心臓において心筋細胞内局所を拡散するCa2+のイメージング・解析手法を開発し、Prog. Biophys. Mol. Biol.に論文を発表した。 ③心臓を局所加熱する顕微技術開発を進め、生きたマウス内心臓の拍動に同期または任意の時間差で加熱することを可能にした。赤外光の照射場所・範囲・時間を変化させて心内圧の変化を解析しているが、これまでのところ心臓のマクロ機能の向上は見られていない。 ④心筋細胞の局所温度計測法を開発し、心筋細胞の加熱時の温度や拍動に伴う発熱計測を可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り研究を遂行し、成果の一部は論文掲載することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り研究を推進する。
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[Journal Article] In vivo cardiac nano-imaging: A new technology for high-precision analyses of sarcomere dynamics in the heart2017
Author(s)
Togo Shimozawa, Erisa Hirokawa, Fuyu Kobirumaki-Shimozawa, Kotaro Oyama, Seine A. Shintani, Takako Terui, Yasuharu Kushida, Seiichi Tsukamoto, Teruyuki Fujii, Shin'ichi Ishiwata, and Norio Fukuda
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Journal Title
Prog. Biophys. Mol. Biol.
Volume: 124
Pages: 31-40
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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