2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J10561
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
神保 晴彦 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 強光順化 / シアノバクテリア / 翻訳因子EF-Tu / 光阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、シアンバクテリアの強光応答における翻訳因子EF-Tuの役割について論文をPlant Physiologyに発表した。また、シアノバクテリアの強光順化におけるタンパク質合成活性への影響の解析を行った。昨年度までに、強光順化の過程でEF-Tu量が増大し、光化学系IIの修復が促進することを明らかにした。そこで、EF-Tu量と光化学系IIの強光耐性との関係を調べた。シアノバクテリアではEF-Tuの量が培養の光強度に応じて増大していた。さらに、翻訳因子EF-Gの量をウェスタンブロットで解析すると、EF-G量には変化がなかった。また、リボソームの大サブユニットに結合するL2タンパク質および小サブユニットに結合するS12タンパク質の量を解析すると、強光順化の過程で特に差は見られなかった。したがって、強光順化の過程ではEF-Tuが特異的に増大することが示唆された。また、強光に2時間晒した後の光化学系II比活性を解析し、光化学系IIの強光耐性の指標とした。その結果、光化学系IIの強光耐性と強光順化におけるEF-Tu量との間に高い正の相関があった。そこで、EF-Tuタンパク質を過剰に発現させた変異株を作製し、強光下における光化学系IIの強光耐性および強光下におけるタンパク質の新規合成活性を解析した。過剰発現株では強光1,500 μmol photonsの条件において、野生株に比べて光化学系IIの修復が促進していた。さらに過剰発現株では、野生株に比べてタンパク質の新規合成活性が促進していた。したがって、EF-Tuの過剰発現によって強光下におけるタンパク質合成が促進した結果、光化学系IIの修復が促進したと考えられる。すなわち、強光順化の過程では翻訳因子EF-Tu量の増大が重要な役割を担うことが明らかとなった。以上の研究内容を、国内学会および国際シンポジウムにて発表した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Oxidation of translation factor EF-Tu inhibits the repair of photosystem II2018
Author(s)
Jimbo, H., Yutthanasirikul, R., Nagano, T., Hisabori, T., Hihara, Y., and Nishiyama, Y.,
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Journal Title
Plant Physiology
Volume: 176
Pages: 2691-2699
DOI
Peer Reviewed
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