2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15J10917
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
白石 希典 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員(PD)
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| Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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| Keywords | spin field / parity violation / rotational asymmetry / non-Gaussianity / gravitational wave / pseudoscalar / gauge field / CMB |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、磁場(スピン1)、重力波(スピン2)など、宇宙の進化において重要な役割を果たしているスピン依存性の起源に、理論的、観測的アプローチ双方から迫ろうとするものである。
初期宇宙に存在するスピン場は重力場の(高次)統計量にその痕跡を残す。重力場の特に4点相関関数に関する新たな観測量について今回研究を行い、その構築に成功した。それは宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の黒体スペクトルからの歪みに関する情報を利用するもので、将来的にはかつてない精度での4点相関関数の測定を可能とする。これは第1年度の研究目標にかなった成果であり、今後さまざまな宇宙モデルに対する応答を調べあげ、実際の測定に備えたい。
スピン場はまた、重力場の統計量中にパリティ対称性や回転対称性の破れを生み出す。例えば、アクシオンとゲージ場(スピン1)の相互作用がその原因となりうる。今回、既存のCMB観測データを用いた詳細な現象論解析を行い、そのような相互作用の強さやゲージ場の真空期待値に対する新たな知見を得た。また、将来的な観測プロジェクトを想定した解析も行い、CMBのBモード偏光、スペクトル歪みや銀河分布に関する新たな観測量を用いることによって、より詳細な対称性の破れの測定ができることを発見した。
上記の成果は、既に出版済みの論文中にまとめてあり、国内外の研究会、セミナーを通して発信している。これらを今後の研究で発展させ、宇宙のスピン依存性に関するさらなる理解を目指す。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第1年度は、重力場の4点相関関数におけるスピン依存性の理解を目標として、具体的な宇宙モデルの現象論解析を通して新たなCMB観測量を構築し、観測データとの比較によってモデルパラメータを推定する計画であった。前者に関しては、CMBスペクトル歪みに関する新たな観測量の構築によって成し遂げられたと考える。一方で後者は、観測データや解析ツールがあるという理想的な状況における計画であり、それはかなわなかった。その代わりに、アクシオンを含む初期宇宙モデルの包括的な現象論解析、銀河分布やCMBのBモード偏光、スペクトル歪みを用いたパリティ対称性、回転対称性の破れの探求など、新たなテーマに挑戦し、それらを完成させている。また、当初の計画通り、ESA Planckプロジェクトにおける研究も順調に進めている。なお、上記の成果は9本の投稿論文にまとめられている。
以上の状況から、当初の計画以上に研究が進展していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画では、CMBのミンコフスキー汎関数や銀河分布の相関関数を観測量としたスピン依存性の解析を行うことにしている。前者の解析の一部は終わっており、また後者に関わる論文を既に出版している。このように、当初の研究計画以上のペースで順調に進んでいるため、スピン依存性の新たな観測量に関する研究などにも挑戦していく。また、ESA Planckプロジェクトにおける研究も継続する。
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[Journal Article] Planck 2015 results. I. Overview of products and scientific results2016
Author(s)
R. Adam, P. A. R. Ade, N. Aghanim, Y. Akrami, M. I. R. Alves, M. Arnaud, F. Arroja, J. Aumont, C. Baccigalupi, M. Ballardini, A. J. Banday, R. B. Barreiro, J. G. Bartlett, N. Bartolo, S. Basak, P. Battaglia, E. Battaner, R. Battye, Maresuke Shiraishi
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Journal Title
Astronomy and Astrophysics
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Planck 2015 results. XVII. Constraints on primordial non-Gaussianity2016
Author(s)
P. A. R. Ade, N. Aghanim, M. Arnaud, F. Arroja, M. Ashdown, J. Aumont, C. Baccigalupi, M. Ballardini, A. J. Banday, R. B. Barreiro, N. Bartolo, S. Basak, E. Battaner, K. Benabed, A. Benoit, A. Benoit-Levy, J.-P. Bernard, M. Bersanelli, Maresuke Shiraishi
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Journal Title
Astronomy and Astrophysics
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Planck 2015 results. XIX. Constraints on primordial magnetic fields2016
Author(s)
P. A. R. Ade, N. Aghanim, M. Arnaud, F. Arroja, M. Ashdown, J. Aumont, C. Baccigalupi, M. Ballardini, A. J. Banday, R. B. Barreiro, N. Bartolo, E. Battaner, K. Benabed, A. Benoit, A. Benoit-Levy, J.-P. Bernard, M. Bersanelli, P. Bielewicz, J. J. Bock, Maresuke Shiraishi
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Journal Title
Astronomy and Astrophysics
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Planck 2015 results. XX. Constraints on inflation2016
Author(s)
P. A. R. Ade, N. Aghanim, M. Arnaud, F. Arroja, M. Ashdown, J. Aumont, C. Baccigalupi, M. Ballardini, A. J. Banday, R. B. Barreiro, N. Bartolo, E. Battaner, K. Benabed, A. Benoit, A. Benoit-Levy, J.-P. Bernard, M. Bersanelli, P. Bielewicz, Maresuke Shiraishi
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Journal Title
Astronomy and Astrophysics
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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