2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J11033
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
松下 祥子 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所 遺伝子制御学研究部, 特別研究員(PD) (80791441)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 性差構築 / アンドロゲン / 外生殖器 |
Outline of Annual Research Achievements |
外生殖器性差構築とアンドロゲンの作用は古くから研究の対象とされてきたが、外生殖器においてはアンドロゲン受容体シグナルの標的遺伝子は同定されていなかった。本研究は、アンドロゲン受容体シグナルの標的遺伝子を同定し、これまで未解明であったマウス外生殖器におけるホルモン依存的性差構築機構を分子レベルで解明することを目的としている。 本年度は、雄型の尿道形成において不可欠なMafb遺伝子が外生殖器における新規の直接的なアンドロゲン受容体(AR)標的遺伝子であること、またその発現は、3’非翻訳領域(UTR)・5’UTRに存在するエンハンサーを介して制御されていることを明らかにした。さらに、3’UTR内の2つのアンドロゲン応答エレメントを同定した。またMafb遺伝子は、WNTシグナルのシグナル伝達分子であるβ-cateninにより制御されている事を明らかにした。以上の結果については、Endocrinology誌等に発表した。またMafb遺伝子の機能を解析するために株細胞を用いた実験を行い、興味深い結果も得られている。 また、外生殖器における性差構築機構の分子基盤の全容を明らかにする為に、次世代シークエンサーを用いたChIP-seq解析を行った。ChIP-seq は、ヒストンや転写因子等に対する抗体を用いて免疫沈降されたクロマチン領域の DNA を網羅的に同定する方法である。本年度はE16.5の雌雄外生殖器を材料とし、抗AR抗体を用いたChIP-seq解析を行った。その結果、幾つかの新規の知見が得られつつあり、研究は順調に推移している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、雄型の尿道形成において不可欠なMafb遺伝子が外生殖器における新規の直接的なアンドロゲン受容体(AR)標的遺伝子であること、またその発現は、3’非翻訳領域(UTR)・5’UTRに存在するエンハンサーを介して制御されていることを明らかにした。さらに、3’UTR内の2つのアンドロゲン応答エレメントを同定した。またMafb遺伝子は、WNTシグナルのシグナル伝達分子であるβ-cateninにより制御されている事を明らかにした。またMafb遺伝子の機能を解析するために株細胞を用いた実験を行い、興味深い結果も得られている。さらに外生殖器における性差構築機構の分子基盤の全容を明らかにする為に、次世代シークエンサーを用いたChIP-seq解析を行った。本年度はE16.5の雌雄外生殖器を材料とし、抗AR抗体を用いたChIP-seq解析を行った。その結果、幾つかの新規の知見が得られつつあり、研究は順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
ChIP-seqで得られた知見をもとに、アンドロゲンの標的候補遺伝子に関して、RT-PCRで確認を行うとともに、in situ hybridization法にてmRNAの発現部位を特定する。またレポーターアッセイやAR KOマウスを用いた候補遺伝子の発現解析を行う。更に候補遺伝子改変マウスを用いて表現型解析を行い、外生殖器の性差構築におけるアンドロゲンの下流経路の検討を行う。ARによる転写制御はアンドロゲンだけでは成立せず共役因子の存在が重要である。特にpioneer factorと呼ばれる因子はAR結合部位の近くのDNAに結合しARのDNAへの結合を制御している。更に、このpioneer factorは組織特異的であり、前立腺ではFoxA1、精巣上体ではAP-2αと報告されているが、外生殖器では同定されていない。新規Pioneer factor候補遺伝子に関して、遺伝子改変マウスを用いた解析・in vitro knockdown実験を行い、外生殖器におけるアンドロゲン依存的発現制御機構を明らかにする。
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Research Products
(5 results)