2017 Fiscal Year Annual Research Report
超冷中性子重力束縛状態のナノ精度測定による近距離重力検証・未知相互作用探索
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15J11161
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河原 宏晃 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 中性子検出器 / 原子核乾板 / 位置分解能 / サブミクロン / 超冷中性子 / 重力 / 中性子捕獲 |
Outline of Annual Research Achievements |
超冷中性子の重力束縛状態の位置分布の精密測定に向けて、超微粒子原子核乾板を用いた中性子検出器の開発を行った。本研究で開発した中性子検出器は、ホウ素10を含む薄膜に中性子を吸収させ、反応点から放出されるリチウム線やアルファ線を原子核乾板で検出する。超微粒子原子核乾板は位置分解能が数10nmであり、中性子反応点をサブミクロンの精度で決定できる。 本年度は、この検出器を用いた中性子反応の自動読み出し手法の開発に取り組んだ。原子核乾板に記録されたアルファ線、リチウム線の飛跡を光学顕微鏡の自動ステージを用いて画像取得する。飛跡の長さはアルファ線が5.1μm、リチウム線が2.6μmであり、乾板中に銀粒子の点列として3次元的に記録されている。自動反応点検出方法として、乾板中の断層画像一枚に対し直線状の飛跡を検出する方法を開発した。取得した画像を輝度値で二値化し、2次元ハフ変換を用いて線分検出する。この手法で自動検出した場合は、人間が目視確認で検出した反応のうち約85%を検出できることが確認できた。この手法では撮像面に対して垂直に近い方向の飛跡検出が困難な点が難点であった。改善策として、連続して得た断層画像から飛跡の銀粒子の点列を3次元的に再構成する方法を開発した。0.3μm間隔で取得した断層画像から銀粒子一つ一つの3次元輝度重心を決定し、飛跡を3次元の線分として再構成する。得られた線分をホウ素薄膜面へ外挿することで中性子反応点を精度よく決定できる。この手法を用いた場合は、人間が目視確認で検出した反応の約100%を検出できることを確認した。さらに、中性子反応点の位置分解能は、基板に対して垂直な飛跡は10 nm、入射角度45度の飛跡は50 nm程度であることが確認できた。これは近距離重力の精密測定実験に必要な位置分解能を十分に満たしており、期待通りの検出手法が確立したといえる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)