2016 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー政策プラットフォームに資する水素ライフサイクルのフィジカルリスク評価
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15J11362
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中山 穣 横浜国立大学, 環境情報学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 工学システムの公共安全 / リスク分析フレームワーク / 水素ステーション / 併用型リスク分析手法 / レジリエンス対策特定手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、工学システムの新しい安全性検討フレームワークを提案することを目的に研究を行ってきた。平成28年度は、工学システムの公共安全に向けたリスク分析フレームワークを開発し、水素ステーションへ適用することで、その有効性を検証した。 工学システムの公共安全の定義は「工学システムに関わる潜在的被害者(ステークホルダー)の協働により共有化された許容されないリスクからの解放」である。本概念は、工学システム自体の安全性を検討する“工学システムの内の安全”と工学システムが存在する地域や社会の安全性を検討する“工学システムの外の安全”から構成され、社会機能の維持に向けて、両者の安全が同じ枠組みの中で検討されることを要求する。また本概念は、対象とする工学システムが存在する社会(都市や地域など)において、工学システムを運用する事業者、工学システムに関係する行政(規制、促進、あるいは防災)、工学システムの恩恵を享受する一般市民が協働することで、総合的な視点に基づいて工学システムの安全を選択する仕組みを指す。 工学システムの公共安全をマネジメントするための手法として、リスク分析フレームワークを開発した。このフレームワークは、併用型リスク分析手法とレジリエンス対策特定手法の2つの要素から成立する。併用型リスク分析手法は、ステークホルダーのリスクを演繹的に分析する方法とハザードを帰納的に分析する方法から成る。またレジリエンス対策特定手法は、リスク対策の枠組みをステークホルダーの準備・拡大防止・緊急対応・復旧の対策に拡張し、それらの概要的な対策を特定する手法のことである。 当該フレームワークを水素ステーションに適用し、従来の安全性検討では対象外となっていたリスクを特定し、シミュレーション等により詳細にリスクを分析した。また水素ステーションに関わるレジリエンス対策を明らかにし、フレームワークの有効性を示した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)