2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J11596
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高澤 建 宮崎大学, 医学獣医学総合研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | hTERT / DNAメチル化 / エピジェネティクス / ヒトiPS細胞 / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、TERT遺伝子のDNAメチル化可変領域(TERT-DMR)の高メチル化を介したTERT遺伝子発現獲得機構の解明を目的とする。昨年度の解析結果から、高メチル化TERT-DMRによる発現制御は、転写因子結合やゲノム高次構造の変化を介したものではないことが示唆された。そこで平成29年度は、TERT発現細胞と非発現細胞のTERT-DMRにおける核ラミナとの相互作用を解析した。また、TERT-DMR配列の進化的保存度を解析することで、TERT-DMRの発現調節におけるコア領域の同定を試みた。 核ラミナとの相互作用を解析するために、核ラミナの主要な構成分子であるLamin B1を標的としたChIP-PCRを行った。ChIP-PCRの結果、TERTを発現するiPS細胞のTERT-DMRにおいてLamin B1との結合が認められ、体細胞では認められなかった。このことから、高メチル化TERT-DMRは核ラミナと結合していることが示唆され、核ラミナと高メチル化TERT-DMRが結合することで転写開始点近傍のクロマチン構造を弛緩させ、TERT遺伝子発現の獲得・維持に寄与することが推察された。 TERT-DMRの進化的保存度の解析は、マウス、ヒト、カニクイザル、イヌ、ネコ、ウシのTERT遺伝子の4,000塩基上流までの配列を用いて行った。マルチプルアラインメントの結果、カニクイザルにおいてのみTERT-DMRと高い相同性を示すゲノム領域が同定された。また、TERT遺伝子上流におけるCpG部位の数を比較すると、広範な組織でTertを発現するマウスでは、TERT遺伝子上流に位置するCpG部位の数がヒトの半数以下と少なく、ヒト同様に組織特異的なTERT発現を示すイヌ、ネコ、ウシ、カニクイザルにおいてはヒトと同等の数のCpG部位が存在していた。このことから、TERT-DMRの配列的保存性よりもCpG部位頻度の保存性が発現制御において重要であることが推察された。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)