2017 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多様度解析を用いたアントクメ個体群消滅危険性の予測
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15J11734
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
秋田 晋吾 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 磯焼け / 藻場 / マイクロサテライト / 遺伝子多様度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,遺伝子多様度の高い個体群が環境変異や物理的撹乱に強いことに着目し,海藻類の個体群である藻場における遺伝子多様度を解明することで,磯焼けの発生リスクが高い個体群を検出できるか調べた。平成29年度は,平成27年度に採集した個体と平成28年度に開発したマイクロサテライトマーカーを用いて,1)集団遺伝解析および2)遺伝子多様度解析を行った。 1)集団遺伝解析 平成28年度に実施した系統地理解析の結果を検証するために,11個のマイクロサテライトマーカーを用いて集団遺伝解析を行った。その結果,アントクメの遺伝集団は九州西岸と太平洋岸の2グループ,もしくは,伊豆大島,平沢,仁科,早田浦,土佐清水,串木野,長島,野母崎,新三重および原島と嫦娥崎の10グループに分かれると推定された。この結果は前年度に実施した系統地理解析を支持し,各地の個体群は遺伝的に大きく離れており,本種の分散能力は低いことが示唆された。 2)遺伝子多様度解析 各地の個体群において,検出されたアレルの数(Na: 最小の個体群に補正),ヘテロ接合度の観察値(Ho)と期待値(He),近交係数(Fis)およびアレル共有度(Psaxy)を求めた。これらの指数のうち近交係数(Fis)は,嫦娥崎,原島,新三重,野母崎,串木野,土佐清水および仁科で低く,長島,早田浦,伊豆大島および平沢で高いことが確認された。各地の生育状況から,アントクメの個体群は,拡大(嫦娥崎,原島),安定(長島,早田浦,伊豆大島および平沢)および縮小(新三重,野母崎)の3段階に分けられ,Fisと比較すると,大きな変動を示す個体群でFisが低く,Fisは個体群の現状を示す指標となり得ることが示された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)