2015 Fiscal Year Annual Research Report
音韻的特徴および語彙知識の影響を考慮したブランドネーム印象評価システムの構築
Project/Area Number |
15J11875
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
土斐崎 龍一 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ブランド名 / 音象徴 / システム構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,消費者の購買を促進するブランド名(企業名や商品名)を工学的知見に基づいて推薦するシステムを構築することである.具体的には,ユーザが入力した,企業や商品に付与したい印象に基づいて,その印象を人に喚起するブランド名を自動的に生成・推薦する手法を提案する.本システムが実現することにより,企業における効果的なブランド名の開発支援等に貢献することが期待される.これまでに,あらゆる音韻を網羅する音象徴的言語表現の印象を調査する被験者実験を行い,音韻と意味の結びつきを数値的に示すデータベースを作成した.このデータベースとブランド名の印象を予測するモデル式を用いて,あらゆる任意のブランド名が消費者に喚起する印象を定量的に推定するシステムを開発した.本システムの有効性を検証する被験者実験を行った結果,日本語話者の印象を高い精度で推定できることが示された.さらに,日本語以外の言語を母国語とする被験者に対象とした,本システムの精度評価実験を実施した.英語話者および中国語話者の回答を収集し,日本人被験者と同様の解析を行った結果,日本人話者に比べると外国語話者に対する印象推定の精度は低いということがわかった.現在,精度改善にむけて,解析手法や実験デザインの見直し,文化的背景や語彙知識の影響などについて検討を行っている.またこれと併行して,ユーザの語彙知識の影響を数値化する機構の設計も進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外国語話者のシステム評価実験結果が予測に反してあまり芳しくなかったため,精度改善にむけて,解析手法や実験デザインの見直し,文化的背景や語彙知識の影響などについて検討を行っている.そのために,当初投稿予定であった時期に研究成果発表を行うことが難しくなった.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは外国語話者に対する評価精度の改善を試みる.具体的には,解析手法や実験デザインの見直し,文化的背景や語彙知識の影響などについて検討する.これと併行して,ユーザの語彙知識の影響を数値化する機構の設計を行っている.これにより,システムに入力されたブランド名から喚起されうる一般語彙を推定し,システムの評価尺度40対との関連性に基づいて,ブランドネームの評価値に加える重みを算出する.その際,入力テキストに対して形態素解析を行い,分解された各語から連想されうる単語をデータベースから引用する.形態素解析のシステムはすでに開発したが,引用される単語によって,40対の尺度に対する重みを数値的に変化させる機構については現在開発中である.上記のデータベースは,インターネット上のテキストデータやコーパスを用いて,単語と尺度の結び付きを定量化(TF-IDF)したデータを収集することを考えており,現在,コーパス構築を進めている.
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Research Products
(8 results)