2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J12117
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川西 範明 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | 筋萎縮 / マクロファージ / 炎症性サイトカイン / ユビキチンリガーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、不活動性筋萎縮の進行過程における免疫担当細胞の変動とマクロファージ除去がギプス固定早期に生じる筋萎縮に及ぼす影響について併せて検討した。 マウスの下腿にギプス固定処理を行い、ギプス固定1日後、3日後、7日後および14日後の免疫担当細胞の浸潤についてフローサイトメトリー法を用いて評価した。炎症性サイトカインおよびユビキチンリガーゼの遺伝子発現についてはreal-time PCR法を用いて評価した。ギプス固定1日後および3日後の筋萎縮早期には骨格筋へのマクロファージの浸潤は観察されなかった。しかしながら、ギプス固定7日後および14日後には顕著なマクロファージの浸潤が観察された。また、マクロファージの遊走因子であるMCP-1および炎症性サイトカインの遺伝子発現はギプス固定7日後および14日後に増強されることが明らかになった。一方で、ユビキチンリガーゼであるatrogin-1/MAFbxおよびMuRF-1の遺伝子発現の増強はギプス固定早期に観察された。 また、マクロファージ除去がギプス固定早期に生じる筋萎縮に及ぼす影響するために、マクロファージを生体から除去する作用を持つクロドロン酸リポソームをマウスに投与することで、骨格筋のマクロファージが除去されたモデルマウスを作製した。ギプス固定を3日間行い、筋重量およびユビキチンリガーゼ発現の違いについて、マクロファージ除去マウスおよび対照マウスで比較した。マクロファージ除去マウスおよび対照マウスともにギプス固定により同程度の筋重量の減少が観察された。また、ギプス固定にユビキチンリガーゼの遺伝子発現の増強もマクロファージ除去マウスおよび対照マウスで同程度に観察された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に、不活動性筋萎縮の進行過程における免疫担当細胞の変動について明らかにすることができた。しかしながら、免疫担当細胞の筋萎縮に及ぼす影響については未だ不明瞭であるため、さらなる検証が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年では、ギプス固定後期に萎縮筋での浸潤が観察されたマクロファージの生理的役割についての検証を行う。また、萎縮後の筋再生に対するマクロファージの役割についても併せて検証する。
|