2015 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムfMRIによるニューロフィードバックを用いた慢性不眠症治療法の開発
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15J12161
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
元村 祐貴 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所精神生理研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 不眠症 / リアルタイムfMRI / ニューロフィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は不眠症治療用のリアルタイムfMRIを用いたニューロフィードバックシステム構築のに必要な測定技術、プログラミング技能の習得に専念した。本研究室にて実施している不安症を対象にしたニューロフィードバック研究に共同研究者として参加し、システム構築の技能、プログラミング技術について習得した。またカナダのモントリオール老年医学研究所に2か月間留学し、本研究の測定・解析に必須となる計算神経科学の技能を学んだ。 さらにニューロフィードバック課題作成の根拠となる知見を得るため、不眠症患者のデータサンプリングを実施し、不眠症患者13名の安静時脳活動データ、40名の対照健常群のデータを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不眠症の情動機能に関連する新たな知見が海外の研究グループから発表されたため、その知見をもとにニューロフィードバックに用いる課題を変更することが必要となった。その研究において、本研究で刺激として用いる予定であった不眠関連画像刺激への不眠症患者の扁桃体活動は健常者に比較して亢進しているものの、二回目の提示で馴化が生じ、扁桃体活動の亢進が低下してしまうことが明らかになったため、新たなニューロフィードバック手法を練り直す必要があると考えている。新たなニューロフィードバックトレーニング候補として、課題時の脳活動コントロールではなく、安静時脳活動パターンを健常者に近づける方法について議論を進めている。現在は新たな課題作成の根拠となる知見を得るためデータサンプリングを継続しており、不眠症患者と対照健常群の安静時脳活動データを取得している。
システム構築に必要な技能は習得したものの、実際の被験者を対象としたニューロフィードバック試験の実施に至らなかったため、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、不眠症患者の安静時脳活動データの解析を進め、健常者と不眠症患者の安静時脳活動パターンの差異について検討する予定である。安静時脳活動パターンの解析において、モントリオール留学時に学んだ計算神経科学の数学的技法を活用したい。さらに、不眠の認知行動療法前後での脳構造データの蓄積も進められており、安静時脳活動データによる知見と合わせて、新たなニューロフィードバック手法を模索したいと考えている。
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Remarks |
優秀発表賞受賞 日本生理人類学会第72回大会, 北海道, 2015.5.30-31.
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[Presentation] 睡眠および食習慣が肥満に及ぼす影響2015
Author(s)
中﨑恭子, 北村真吾, 肥田昌子, 元村祐貴, 三島和夫
Organizer
第22回日本時間生物学会学術大会
Place of Presentation
東京大学本郷キャンパス伊藤国際学術研究センター・情報学環福武ホール
Year and Date
2015-11-21 – 2015-11-22
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