2016 Fiscal Year Annual Research Report
骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を併せ持つ新規骨粗鬆症治療薬の臨床応用に向けた検証
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15J12476
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 円香 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | IR/MAR法 / scFv三量体 / バイファンクショナル / 骨粗鬆症治療薬 / IgG2 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度取得した、in vitroでバイファンクショナルな活性を示す全長抗体IgG2安定的に高発現する細胞株を取得するため、IR-MAR法を用い、目的のプラスミドをCHO-DG44細胞に導入し、薬剤選抜を行うことで、目的遺伝子を高発現する細胞クローンを単離濃縮した。この細胞を一定期間培養した後、培地を回収し、proteinAビーズ、およびRANKL細胞外ドメインの組換タンパク質をカップリングさせたCNBrビーズを用いて精製し、抗体の組換タンパク質を取得した。 また、同様の活性を示すscFv三量体を用い、in vivoの検証を進めた。前年度のin vitroの検証により見出した、「RANKL逆シグナルは、骨芽細胞の分化前期を促進する一方、分化後期を抑制する」という知見に基づくと、生体での持続的なRANKL逆シグナル入力は、分化途上の未熟な骨芽細胞を蓄積させる一方、骨形成を担う分化後期の骨芽細胞の増加を抑制すると考えられる。そのため、RANKL逆シグナルを間欠的に入力することにより、シグナル入力期間中は初期の骨芽細胞が増加し、シグナルを解除すると、これらの骨芽細胞が成熟骨芽細胞、骨細胞にまで分化する可能性が推定された。そこで、野生型マウスにscFv三量体を5日間連続で腹腔内投与し、経時的に採血して骨代謝を反映する血清マーカーの変動を測定した。その結果、骨吸収マーカーであるTRAP5bが低下すると同時に、骨形成に関しては、初期骨芽細胞マーカーであるⅠ型コラーゲン-N-プロペプチド (P1NP) が上昇した一方、後期骨芽細胞マーカーであるGla化Osteocalcinは低下した。また、投与を停止し、RANKL逆シグナルの影響が解除されると、蓄積した初期の骨芽細胞の後期分化段階への移行が進み、Gla化Osteocalcinは上昇を示した。 以上の結果をまとめ、論文投稿準備中である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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