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2017 Fiscal Year Annual Research Report

記憶の表象を担う海馬神経回路の活動特性の解明

Research Project

Project/Area Number 15J12493
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

阿部 麗実  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2018-03-31
Keywords下辺縁皮質 / うつ病 / 局所場電位
Outline of Annual Research Achievements

海馬と前頭前皮質は、ともに記憶や社会性行動といった高次機能に重要な脳領域であり、上記2領域の協調した活動によって初めてその機能を発揮すると考えられている。しかし、前頭皮質の電気生理学的特性は未だ明らかにされていない。従来、げっ歯目前頭皮質は複数の亜領域で構成されているにもかかわらず、一括りに「前頭皮質」として扱われることが主流であったためだ。そこでまず、前頭皮質の亜領域を区別して神経活動特性を明らかにするため、以下のことを行った。
まず、前頭前皮質の複数の亜領域から同時に神経活動を記録した。その結果、前頭皮質の亜領域の一つである、下辺縁皮質(IL)において限局して断続的に発生する、20-40 Hzの局所場電位の一過的な強度上昇を見出した。
次に、ILや海馬の高次機能に障害をもたらすうつ病に着目した。ヒトのうつ病において、ILの活動異常は共通することが知られている。そこで、うつ病をよく模倣する社会的敗北ストレスモデル、薬理学的手法を組み合わせ、うつ様行動を示すマウスILの神経活動を記録した。その結果、うつ様行動時のILの神経活動の異常は、発火率の低下と、20-40 Hzの強度減少として表れることを明らかにした。この20-40 Hzの強度減少は、うつ様行動の改善とともにレスキューされた。以上から、うつ様行動時には、ILに特徴的な投射経路を介した情報伝達の減弱が示唆され、20-40 Hzの神経活動に寄与する細胞集団の活動の正常化が、うつ様行動の改善をもたらす可能性を提示した。本研究は、従来、げっ歯目において一括りにされてしまう前頭皮質を電気生理学的に区別したことで、うつ様行動時のILの神経活動の変化を初めて明らかにした。ILは、海馬から密に投射を受け取っていることが知られており、今後、海馬の神経活動と20-40 Hzの神経活動の関係性を検証していくことで、さらなる進展が期待される。

Research Progress Status

29年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

29年度が最終年度であるため、記入しない。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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