2016 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティックに制御するヒストン修飾酵素複合体SAGAとSLIKの機能的分離
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15J12519
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
釜田 和馬 福井大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | SAGA 複合体 / SLIK 複合体 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒストン修飾に関与するSAGA 複合体とその類似複合体の SLIK複合体を機能的に区別するシステムを構築し、これまでに報告されていない環境変化に対する2つの複合体の使い分けを明らかにすること、また、外的ストレスや生育環境の変化、酵母年齢によってどのタイミングで SLIK 複合体による発現調節にシフトするかを単一細胞追跡システムによって明らかにすることを目的として研究を進めた。 昨年度の SLIK 依存遺伝子のスクリーニングの結果得られた GRX8 の解析を進めた。GRX8 はヒ酸を亜ヒ酸に還元するヒ酸レダクターゼ (グルタレドキシン) であり、ヒ酸存在下において発現が誘導されることが報告されている。また他の発現誘導剤として、クロロタロニル (TPN) も報告されている。そこで TPN を添加し、GRX8 の転写誘導を行い、SAGA 複合体の変異体を用いて解析を進めた。野生株に TPN を添加したところ、GRX8 は転写誘導され、SLIK 複合体優勢株ではさらに転写誘導された。従って、 GRX8 の転写誘導には SLIK 複合体が機能している事が示唆された。 SLIK 複合体優勢株で生存率が野生株よりも増加する薬剤であるラパマイシンを添加し、GRX8 が誘導されるかを調べたが、野生株、SAGA、SLIK 優勢株いずれにおいても転写誘導はされなかった。 GRX8 の他にもSLIK 依存遺伝子のスクリーニングで同定していた HSP42 にも注目して転写量を測定した。TPN を添加したところ、いずれの株においても転写誘導されたが、SAGA、SLIK 優勢株間で転写誘導プロファイルに相違が現れた。このSLIK 優勢株と SAGA 優勢株の転写の転写調節の違いは SAGA、SLIK 複合体で転写に異なる影響を与えていることを示唆している。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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