2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路モデルと身体バブリングを用いた道具身体化による道具使用
Project/Area Number |
15J12683
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 城志 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
|
Keywords | 道具身体化 / モーターバブリング / Deep learning / Recurrent neural network |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,人間による事前設計を必要とせず,ロボットが持つセンサ情報からロボット自身が自律的に行動生成可能な道具使用モデルの構築を行う.人間は道具を使用することで,実現可能なタスクを大幅に拡大することができる.将来,ロボットが人間社会で活躍するためには,道具の使用が重要な鍵となる.これを実現するために,人間が道具使用時に,道具の先まで身体感覚が拡張して知覚される現象である『道具身体化』に注目した.これまでの道具使用の研究の多くは動作パターンや動作・道具の特徴量を事前に設計する必要があった.そのため,限定された動作しかできない,新規な道具に対応できないという課題があった.その他の研究では,動作生成のためのパラメータを全探索する必要があり,これは莫大な計算が必要とされた.これらの課題に対して,モーターバブリングと呼ばれる乳幼児に見られる身体モデル獲得プロセスを参考にした動作を行い,そのときに取得される感覚情報をディープラーニングで特徴量抽出したものと,運動情報をRNNにより学習させる.検証実験では,ロボットの初期状態である関節角度とカメラで獲得された画像,及び,目標とする状態の画像を与え,その間を予測させて運動生成させた.実験には,ロボットシミュレータOpenHRP3で作成したロボットモデル,及び,実際のロボットであるアクトロイドの2つで,道具を利用した物体の引き寄せタスクを行った.その結果,未知な道具であっても目標とする状態に近い動作の生成を確認することができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度はまず,ランダムなモーターバブリングをディープラーニングとRNNを利用した道具身体化モデルを実現した.しかし,ここでの課題として,モーターバブリングとしてランダムな動作を行っているため,身体モデルを獲得するために必要な動作数が膨大となり,実ロボットへの適応が困難であった.そこで,身体モデル獲得中の動作の分散を予測し,予測された分散の大きい動作から,予測誤差を補うような動作を生成・追加学習した.その結果,ランダムなモーターバブリングと比較し,遥かに少ない動作数で身体モデルを獲得することが確認された.その成果はLecture Notesに掲載された.以上の点より,本研究は当初の研究計画異常に進展していると言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度行った道具身体化モデルでは,ロボットが道具を把持した状態で動作を開始したため, 道具を把持対象で扱った経験しか獲得していなかった.そのため,道具を把持するべきか,また,道具のどこを把持するべきかが考慮されていなかった.そこで,今後は道具身体化モデルを拡張し,物体を操作対象(物体)から把持対象(道具)への身体モデルの遷移過程を考慮することで,道具の把持から操作までを1つの道具身体化モデルを提案する.
|
Research Products
(21 results)