2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15J30001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 和歌奈 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 長期フィールドワーク / 国際ワークショップ / 存在論的転回 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者は、今年度の前半神戸の某研究所においてフィールドワーク(科学者へのインタビューや実験室やラボミーティング、研究報告会での参与観察)を行った。また、報告者は、2016年5月に南山大学で開かれた日本文化人類学会に参加し、日本語で研究成果を報告した。7月に大阪大学の博士課程の院生とともに「超域ワークショップ」を企画し、3人の科学技術の人類学者とともに英語で発表を行った。2016年8月にスペイン・バルセロナで開かれたSociety for Social Studies of Scienceで研究発表を英語で行った。また、2016年10月にアムステルダム大学においてAnnemarie Mol教授のグループと共同でワークショップ “Organic Metaphor Workshop”を企画し、英語の原稿を発表し、研究内容に対して生産的なコメントを得た。 2016年5月に二週間、カリフォルニア大学UC Davis 校に滞在し、「存在論的回転」についてのPhDワークショップ、Donna Haraway, Vinciane DespretなどSTS研究のフェミニズム研究者による2日間のワークショップに参加した。2016年9月から12月において、アムステルダム大学に客員研究員として在籍し、科学技術の人類学と科学技術論を専門とするAnnemarie Mol教授とその研究グループにコメントをもらうなどして、理論や記述について発展させることができた。また、アムステルダム大学の人類学科の学生が主催する勉強会やリーディンググループに参加し、科学技術の人類学に限らず、医療人類学などに関する理論や概念も強化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
報告者は、博士論文を執筆しながら、国内外で研究発表を続けて来た。専門家にコメントをもらうとともに分析と理論を深め、今年度中に提出する目処をつけている。また、アムステルダム大学やカリフォルニア大学デイヴィス校に滞在し、ワークショップの議論に参加し、知識や理解を深めるとともに、若手やシニア研究者との交流を深めて来た。加えて、大阪大学やアムステルダム大学では、英語のワークショップを開催している。今後、国際的に研究を続ける上で、執筆や分析などの研究遂行能力のみならず、国際ネットワークと国際プロジェクトに関わるスキルを身につけている。期待通り研究が進展し、生産的な1年だったと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に、本研究にかかわる博士論文を書き上げ、博士号を取得することを目標とする。これまでの2年間において、十分なデータを得た上で、理論的な議論の展開に目処をつけたため、今後は執筆に集中し、より密度の濃い博士論文を書き上げる。また、博士論文で執筆した章を英語の国際ジャーナルに投稿することを目指す。
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