2018 Fiscal Year Annual Research Report
コモン・マーモセットを用いた脊髄損傷に対する多角的介入戦略の開発
Project/Area Number |
15J40050
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉野 紀美香 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2019-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 霊長類コモンマーモセット / リハビリテーション / 運動キネマティクス / 神経可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
損傷部に形成される瘢痕組織ではセマフォリン3Aが発現し軸索伸展を阻害することが知られている。治療戦略として本研究ではコモンマーモセット頸髄半切モデルを用いて、上下肢リハビリテーションおよび軸索伸長薬剤SM-345431併用療法による運動機能回復を目指す。軸索の可塑的変化を形態学的及び電気生理学的で詳細に調べ、分子的な動きにも着目し網羅的に回復に寄与する要素を引き出し運動機能回復のメカニズムに迫る。リハビリ効果の定量には臨床に即した脊髄挫滅による圧挫損傷モデル及び皮質脊髄路半切モデルを用い、運動キネマティクスの解析及び一次運動野の可塑的変化を捉える。よりミクロな運動中の一次運動野の運動神経細胞の活動は、超小型顕微鏡を頭蓋に留置することで長期的に観察する。 方法臨床に近い組織損傷を引き起こす圧挫モデルでは、トレッドミルを用いた下肢のリハビリを行う。皮質脊髄路半切モデルでは、手指のリハビリを行い、回復の軌跡を高速ビデオカメラを用いてとらえる。微弱な電気刺激により同定した脳の一次運動野の手指領域に、蛍光カルシウムインジケーターを導入し、蛍光顕微鏡を用いて同一の細胞を個別に数百個同時に記録を行う。 結果前年度までに確認された軸索伸長薬剤の物理的な副反応により、薬剤及びリハビリの併用群の検討は行わなかった。皮質脊髄路半切モデルでは、運動キネマティクス解析から運動機能の回復が確認され回復に伴い脳機能地図の再編が見られデンドライトの可塑的変化が生じていることが分かった。論文にまとめるための運動機能解析を追加中である。運動中の一次運動野の神経活動は、無麻酔下でマーモセットが餌に手を伸ばす動作及び梯子をのぼる動作中に、動作に同期して活動する細胞を各々同時記録し、Cell Reportsに報告した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Calcium Transient Dynamics of Neural Ensembles in the Primary Motor Cortex of Naturally Behaving Monkeys.2018
Author(s)
①Kondo T, Saito R, Otaka M, Yoshino-Saito K, Yamanaka A, Yamamori T, Watakabe A, Mizukami H, Schnitzer MJ, Tanaka KF, Ushiba J, Okano H
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 24
Pages: 2191-2195
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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