2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J40067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
志藤 あずさ 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 地震波減衰 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震波減衰構造推定の計算コードの開発を行った。地震波減衰には散乱減衰と内部減衰の2種類がある。散乱減衰は地球内部における地震波速度などの不均質によって地震波エネルギーが散乱される現象であり、内部減衰は地球内部の非弾性によって、地震波エネルギーが摩擦などにより熱エネルギーに転化する現象である。地殻においては両者を分離して推定することが重要である。そこで本研究では、地震波の散乱減衰と内部減衰とを分離推定するMultiple Lapse Time Window (MLTW) 法を使用した。解析では、S波の到着時刻から15sのタイムウィンドウを3つ切り出し、各タイムウインドウ内の地震波形のエンベロープからエネルギーを計算する。そしてエネルギーの距離変化を、一様構造を仮定した近似解析解(Paasschens, 1997)と比較し、散乱減衰と内部減衰を推定する。計算プログラム内では、観測値と計算値のフィッティングに非線形最小二乗法であるLevenberg-Marquard法を使用した。また、解析には、1-2Hz, 2-4Hz, 4-8Hz, 8-16Hz, 16-32Hzの周波数帯を使用する。 解析に使用する地震波形データの収集を行った。当初、マグニチュード1から3.5までの地震を解析に使用する予定であった。しかし、予備的解析により、データのS/Nが当初の予想より低いことが判明した。これは、研究対象地域の地殻の減衰が既存の研究で報告されているよりもはるかに強いことを示唆している。このため、マグニチュードの閾値を4に変更し、波形データの追加収集した。このために、計画を2ヶ月間延長した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度分で平成28年度に繰り越した課題については完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、地震波減衰構造の推定を行い、その結果を用いて温度・流体量の分布の推定を行う。
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