2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research in the structure of a distant region of our galaxy using a new distance measurement method with VERA
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15J40195
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| Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
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Principal Investigator |
山内 彩 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 特別研究員(RPD) (70431674)
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| Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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| Keywords | VERA / VLBI / メーザー / 位置天文学 / 電波天文学 / 銀河系 / 距離決定 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
国立天文台のVERA観測網を用いて水メーザー天体の固有運動を検出し、銀河系中心より遠方の天体の距離を測定することで、渦巻銀河である銀河系の中心の向こう側にある渦の形を直接検出し、新たな構造を明らかにするのが本研究の目的である。
年周視差の影響の有無を考慮して正確に固有運動を求めるため、1天体の観測には丸2年かかる。計画では、第一次天体（平成26年度観測開始）と第二次天体（平成27年度観測開始）合わせて10天体程度を観測する予定であった。
第一次天体として観測を始めた天体は、天体からの信号強度が低下したため平成27年度内に観測中止しており、平成28年度は第二次天体3天体の観測が進行中である。うち1天体は、途中で水メーザーが消失したりしなければ計画通り、学振採用期間最終年度である平成29年度中に2年分のデータ取得を終了する。VERA観測網のスケジュール過密により観測開始が遅れた1天体と、天体信号が増光するまで待機していた1天体に関しては、平成29年度中に1年分程度のデータを取得できる予定である。
天体数の不足を補うため、過去のVERA観測のアーカイブデータの中から、本研究課題の選定条件に合致する数天体を選び出してデータを取得した。現在、国立天文台の共同利用計算機を利用して解析を行っている。
1天体について検出した固有運動から距離を求めて論文化し、平成27年度に学会誌に投稿した査読論文1本が、平成28年度になってから受理・出版された。またこの論文の内容で、日本天文学会秋季年会で口頭発表を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題では、10天体程度に対し、3ヶ月間隔で2年分のVERA観測データを用いて固有運動を検出する計画であるが、下記要因により、事前の想定以上に新規観測データを得るのが難しくなっている。
1.観測天体選定の困難： VERAで観測を実施するためには、観測ターゲットである水メーザー天体と、離角2.2°以内の参照電波源の同時検出が必要という条件により、観測可能な天体数が限られる。
2.天体の強度変化: 観測開始後にメーザーが弱くなったために中断したり、増光するまで待機したりすることがある。
3.観測スケジューリングの困難： 本研究課題が研究対象とする銀河系中心方向は、VERA全体でも観測ターゲットが非常に多い時間帯であり、天体選定してもすぐには観測時間が割り当てられないことがある。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成29年度中に2年分のデータが揃う天体は、観測終了次第、解析して固有運動を検出し、距離を求める。他の新規観測天体は1年分程度のデータとなるが、計画よりも観測間隔を密にすることで、固有運動の検出を目指す。
VERAの過去の観測データで距離を求められていない天体の中に、遠方に位置するため年周視差の検出が困難であった天体が複数存在すると予想される。現在、本研究の選定条件（銀河系中心方向に位置）を満たす数天体のアーカイブデータを取得し、解析を行っている。それらの中から、銀河系中心より遠方に位置する天体の見込みをつけ、距離を求める。
新規観測天体、アーカイブデータを合わせて、最終的に10天体程度の距離を得ることで、銀河系の新しい構造を明らかにする。
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