2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00007
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山崎 浩一 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (00246662)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自由超フィルタ / tangle / イデアル / 劣モジュラ関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、tangleが有すると予想される代数的構造、特にフィルタとイデアルで表現可能な構造を明らかにすることである。28年度の成果としては:(1)昨年27年度の研究では解決できていなかった、分割数が3でのtangleの特徴付けに対する問題を、肯定的に解決した。これは、後述する「コンパス機能」と呼ぶ性質に着眼したことで解決できた。(2)27年度の研究で浮上してきた新たな問題の一つであった、tangleの木構造を線形構造に制限したパラメータに着目した研究に対して、木構造の時と類似の構造が線形構造にも見られることを示した。(3)自由超フィルタとしての視点を導入し、tangleと自由超フィルタの関係をより詳細に明らかにした。(4)co-tangleと超フィルタの同値性を示し、その結果を用いて枝幅とco-tangle(すなわち超フィルタ)のゲーム理論的解釈を与えた。(5)ゲーム理論的解釈を与える研究の副産物として、既に知られていた超フィルタと分割間の性質(本研究ではこの性質を「コンパス機能」と呼ぶ)を、連結システム上に拡張した。 本研究は、tangleの代数的構造の理解が主たる目的であるが、これを研究するにあたり、連結システム上の超フィルタ、特に次の自由超フィルタに対する新しい知見が得られた:通常のフィルタでは、その台集合が有限である場合は自由フィルタが存在しないことが知られている。しかし本研究では、フィルタの概念を対称劣モジュラ関数を伴う連結システム上に拡張すれば、たとえ台集合が有限でも、自由フィルタが存在し得ることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
28年度の研究では大きな進展があった。27年度に得られた研究成果が、28年でより整理され、それにより考えが熟成することで、tangleの代数的構造がより深く理解できるようになった。特に、枝幅とco-tangle(すなわち超フィルタ)のゲーム理論的解釈を与える試みは、本研究を大きく進める結果となった。ゲーム理論的解釈を介すことで、tangleをより簡単にかつ本質的に理解することができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の予定通り、劣モジュラ関数をより一般化した関数でも、今まで得られてきた結果と類似の結果が得られるか否かを研究する。また、グラフで禁止グラフにあたる構造が、本研究では何にあたるかの研究も行う。
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Causes of Carryover |
年度末に国際会議での発表があり、為替レートの影響を受ける旅費を事前に確定することが困難であった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費の一部として使用。
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Research Products
(5 results)