2016 Fiscal Year Research-status Report
高密度不揮発性メモリの信頼性と速度を向上させるための符号化技術の開発
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15K00010
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鎌部 浩 岐阜大学, 工学部, 教授 (80169614)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 不揮発性メモリ / フラッシュメモリ / WOM符号 / コセット符号化 / ILIFC / 相変化メモリ / ランク変調 / フラッシュ符号 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度は,不揮発性メモリのための符号化率の高い符号の構成に関して,多くの結果を得た.フラッシュメモリの記録密度を上げるために,一つのセルに複数のビットを記録できるタイプのセルが使用されるようになってきている.各ビットは異なる論理ページに分かれている.それらを高速に読み出すために,RandomI/O(RIO)符号が提案された.さらに,そのsum-rateを増加させるために,Parallel Random I/O(P-RIO)符号が提案された.本研究では,各書き込みにおける符号化率を可変にする事で,より高いsum-rateを持つP-RIO符号の,一つの構成方法を示した.この研究成果は,国際会議にacceptされた. RIO符号はWOM符号と等価である.WOM符号の構成方法であるコセット符号化法を拡張して,符号長7で4回,符号長15で8回の書き換えが可能なP-RIO符号を構成した.1ブロック当りでは,それぞれ2ビット,3ビットの記録が可能である.WOM符号として構成するとそれぞれ3回と6回であるので,実質的な改善になっている.この結果は,研究会に報告する予定にしており,論文として国際会議への投稿を準備中である. 本研究室では,ILIFC(Index Less Indexed Flash Code)と呼ばれる符号化方法を拡張して,I-ILIFCという符号化法を提案している.I-ILIFCの平均性能が優れていることを計算機実験により確認して国際会議で公表した.さらに,最悪時性能の下界を理論的に導出した.これは国際会議での発表が許可され,また,論文誌の出版は条件付採録となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フラッシュメモリのための符号化率の高い符号の構成に関する研究は,順調に進んでいる.特に,sum-rateを高くするために,毎回の書き換えにおける符号化率を可変にすることによって,より高い符号化率を達成できている.本研究では,ILIFCと呼ばれる符号化方法を拡張したI-ILIFCを提案しているが,その性能解析も,計算機シミュレーションを利用した平均性能の解析,最悪時性能の理論解析,ともに順調に進んでいる.これらについては,予想以上の成果を得られている. 別の不揮発性メモリである相変化メモリについても,従来法よりも性能のよい符号の構成ができることを示すことができている.これについては,予想通りであったが,今後の展開については,工夫を必要とする段階に来ている. これらと平行して,ランク変調を利用した符号及び誤り訂正能力を有したランク変調の研究を行っているが,これについては,あまり成果を得られてはいない.
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Strategy for Future Research Activity |
P-RIO符号は,不揮発性メモリのための符号の中で,最も実装の可能性の高い符号であり,性能の向上が重要な仮題である.従って,この方向の研究を強く進めていく予定である.特に,書き換え回数(一回に記録できるビット数)を大きくすることを目標とする.ところで,P-RIO符号のsum-rateはWOM符号と同じであり,書き換え回数に対するsum-rateの限界は知られている.しかし,符号長が有限のところで,符号長に対する書き換え回数の限界などは,知られていない.実際に有限長の符号を構成したときに,それが限界に対してどれくらいのところにあるものであるのかを知ることは重要である.現状では,従来法との比較,という相対的な方法しかない.そこで,有限の長さにおいて,sum-rate ,書き換え回数などにどのような限界があるのかを集中的に調べていきたいと考えている. 速度と寿命の点で,相変化メモリはフラッシュメモリに勝っている.従って,次世代のメモリとして,特に主記憶への応用を意識して符号の開発行っていく予定である.相変化メモリに対しては,従来の制約符号の理論を適用して符号を構成していく.主記憶装置として用いるとすると,符号化率が高いことが必要であるので,効率の高い符号を構成する. ランク変調を用いた符号の基礎的な調査は十分行ったので,今年度はそれらをもとに,誤り訂正能力を有する符号化法の提案と評価を目標としている.これまでの研究は,理論的な面に重点を置いていたが,今年度は計算機実験を用いた評価も行うことを考えている.
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Research Products
(5 results)