2015 Fiscal Year Research-status Report
対話型証明と秘密分散に基づく認証方式・署名方式の設計及び安全性評価
Project/Area Number |
15K00029
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
穴田 啓晃 長崎県立大学, 情報システム学部, 准教授 (40727202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 正剛 情報セキュリティ大学院大学, その他の研究科, 教授 (50387106)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デジタル署名 / 秘密分散方式 / 属性ベース認証 / 属性ベース署名 / 評判システム / 評定スキーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ユーザの属性に基づき電子認証・電子署名を行う方式は,マイナンバーの改善課題等,プライバシー保護の現実的課題に鑑み,要望が高まっている.この要望に応えること,またそのための方式を理論的に設計し評価することを目的とする本研究を遂行した結果,研究代表者はH27年度,下記の研究実績を得た(《 》内は技術用語,[ ]内は発表形態). ■第一の課題である《Σプロトコルの秘密分散による拡張に基づく属性ベース認証方式及び属性ベース署名方式》については,学術上また実用上意義を有する《ペアリング演算を用いない方式》について設計を行った.結果として《属性ベース二階層署名方式》を発表した[国内研究会ISEC予稿論文1件,及び国際会議ICISC2015予稿論文1件].なお,当該の設計の特徴の一つはいわゆる《標準モデル》での実現である.その着想には《匿名証明書システム》の従来技術を解析したことで得た. ■第二の課題である《識別不可能性難読化のアプローチによる属性ベース署名方式の設計》については,次に述べる第三の課題を優先したため,実績を得なかった. ■第三の課題である《応用としての評判システムの設計》については,インド統計研究所の海外研究協力者と共同で設計を行い,被評定者の属性に基づく署名による表現豊かな《評定スキーム》を発表した[コンピュータセキュリティシンポジウム予稿論文1件,暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿論文1件]. ■その他,属性ベース署名方式の設計を遂行した上で,次の関連技術について実績を得た:《認証方式》,《デジタル署名方式》,《秘密分散方式》[コンピュータセキュリティシンポジウム予稿論文1件,暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿論文2件,国際会議AsiaARES予稿論文1件,国際会議ACM-IMCOM予稿論文1件,国際会議ProvSec2015予稿論文1件].
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書で計画していた三つの研究課題(「研究実績の概要」で言及したもの)に対し,次の理由により,研究はおおむね順調に進展していると判断した. ■第一の課題については研究結果を2件の成果物にまとめ発表することを計画していた.1件目は《属性ベース二階層署名方式》であり,国際会議での発表実績を得た.2件目は《Σプロトコルの秘密分散による拡張に基づく属性ベース認証方式及び属性ベース署名方式,ただしペアリング演算を用いないもの》であり,本報告時点(2016年5月)でePrintの形態で投稿済みである. ■第二の課題については実績を得なかったものの,代わって第三の課題についてH28年度計画から前倒しし,研究を推進した.研究結果をまとめ,2件の発表実績を得た(計画段階では1件). ■他,計画外の関連発表6件の実績を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
H28,29年度も交付申請書の計画に基づき,三つの研究課題(「研究実績の概要」で言及したもの)について研究を推進する. ■第一の課題については,発表実績をまだ得ていない2件目《Σプロトコルの秘密分散による拡張に基づく属性ベース認証方式及び属性ベース署名方式,ただしペアリング演算を用いないもの》に関し,H27年度に得た着想に基づき設計および安全性評価を推進する.研究結果を国際会議にて1件発表する. ■第二の課題については,《識別不可能性難読化》の《ゼロ知識証明への適用》についてJinan大学の海外研究協力者と共同で研究を立ち上げ,調査および設計を推進する.研究結果を国内シンポジウムにて1件発表する. ■第三の課題については,引き続きインド統計研究所の海外研究協力者と共同で《評定スキーム》の設計を精密化・高機能化し,国際会議にて1件発表する.
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Remarks |
インドの2件は,JSPS-DST日印二国間共同研究に部分的に支援を受けている:http://itslab.csce.kyushu-u.ac.jp/jsps/new/indexd236.html?page_id=12 マレーシアの1件は,(公財)九州先端科学技術研究所とマルチメディア大学との協定覚書き(MOU)に基づく:https://www.isit.or.jp/press/2014/04/
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Research Products
(15 results)