2016 Fiscal Year Research-status Report
対話型証明と秘密分散に基づく認証方式・署名方式の設計及び安全性評価
Project/Area Number |
15K00029
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
穴田 啓晃 長崎県立大学, 情報システム学部, 准教授 (40727202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 正剛 情報セキュリティ大学院大学, 情報セキュリティ研究科, 教授 (50387106)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 対話型証明システム / 秘密分散法 / 証拠識別不可能性 / 属性ベース認証 / 属性ベース署名 / プライバシー保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は,属性ベース認証・属性ベース署名などの暗号学的要素技術に対し,対話型証明システムを設計するアプローチで原理を解明し効率を追究することである.第2年度であるH28年度は下記の研究実績を得た. 原理・効率解明の研究課題"Σプロトコルの秘密分散法による拡張に基づく方式"については,"対角線上証拠識別不可能な証明システム"の着想を得,下記4件の予稿論文に示した.a)"知識の証明のバンドリングとそのデジタル署名への応用", ISEC研究会(9月); b)"効率が良く追跡可能な属性ベース署名", SCIS2017(1月); c)"結託耐性を備えたアイデンティティ識別不可能な属性認証方式", 火の国情報シンポジウム2017(3月); d)"対角線上証拠識別不可能な証明システム", ISEC研究会(3月). 応用面の研究課題"評判システムの設計"については,インド統計研究所の研究者と共同で設計を進め,下記2件に示した.a)"Expressive Rating Scheme by Signatures with Predications on Ratees", NSS2016(9月); b)"被評定者の叙述を伴うデジタル署名による表現豊かな評定スキーム", CSS2016(10月). 関連成果"鍵の複製を困難にする属性ベース暗号",また,"グループ横断秘密分散法"をジャーナル論文1件ずつに示した.a)"A Hybrid Encryption Scheme with Key-cloning Protection: User / Terminal Double Authentication via Attributes and Fingerprints", J. Internet Serv. Inf. Secur.(5月); b)"Cross-group secret sharing scheme for secure usage of cloud storage over different providers and regions", J. Supercomputing, Springer(3月).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計算機科学の学術的観点からは,対話型証明システムの研究領域において"対角線上証拠識別不可能な証明システム"の着想を得,国内研究会および国内シンポジウムで発表したなど,原理を部分的に解明する成果を得た.また,暗号学的要素技術を現実に応用する観点からは,"被評定者の叙述を伴うデジタル署名による表現豊かな評定スキーム"の提案方式を国際会議で発表したなど,情報発信した.更に,関連成果のうち特に"秘密分散法"については,インパクトファクターが比較的高い(1.08)ジャーナル論文誌に採択されたなど,計画外の成果物を得た.これらの状況から,当初の計画以上に進展したものと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
第3年度であるH29年度は,第2年度までに部分的に解明した原理"対角線上証拠識別不可能な証明システム"の全容を解明する.推進方策として,はじめに"toy example"の"対角線上証拠識別不可能な証明システム"を設計する."toy example"は暗号学上よく知られた「結託攻撃」への耐性を持たない簡易なものとし,国内研究会等にて上期中に発表する.次いで,結託攻撃に耐性のある"対角線上証拠識別不可能な証明システム"を一般的に構成する課題に挑戦する.H29年度内の国際会議での採択を目標とする.
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Causes of Carryover |
本研究課題が係わる研究発表のうち,国際会議NSS2016での発表1件は,その旅費(日本‐台北)が別予算から支払われた.このため,次年度使用額が24万円余り生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度に,本研究課題が係わる研究領域の海外研究者を日本へ招き研究討議する旅費として,もしくは,研究代表者が海外で研究発表するための旅費として使用する.
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Research Products
(9 results)