2016 Fiscal Year Research-status Report
離散DC関数最小化問題に対する大域的最適化手法の構築
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15K00030
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩浦 昭義 東京工業大学, 工学院, 准教授 (10296882)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 離散最適化 / DC関数 / 離散凸関数 / 離散凸解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,離散DC関数最小化問題に対して,理論と実用の両面からみて高性能なアルゴリズムを提案することである.本年度は昨年度に引き続き,「(i) 解きやすい問題クラスの検出」および「(ii) 精度保証付き近似アルゴリズムの構築」という課題について検討を行った. これらの課題解決のために,L凸関数最小化という離散凸解析における基本的な問題について再調査を行った.とくに,オークション理論や画像処理アルゴリズムに現れる,特殊なL凸関数最小化アルゴリズムの反復回数について理論的に解析し,厳密な反復回数のバウンドを得ることに成功した.また,2段階アルゴリズムに対し,既存の反復回数の上界より良い上界を得ることができ,またその上界がある問題例に対してタイトであることを明らかにした. また,M凸関数という,もうひとつの離散凸関数のクラスに対し,様々な交換公理により特徴付けできることを示した.この結果は,M凸関数のもつ様々な良い性質を証明する際に非常に有用となることが期待される. このように,本年度は今後の課題解決につながる可能性の高い,様々な新たな結果が得られた.本年度は新たな結果を見いだすことに重点を置いて研究を行ったため,研究発表の回数は少なくなったが,数本の学術論文としてまとめられ,論文誌に投稿することができた.そレらの結果については,今後,国内外のワークショップや学会などで発表し,専門家の評価を仰ぐ予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
離散凸解析の基本的な問題に対する新たな結果を得ることが出来,本研究課題の解決の手がかりを得ることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた成果を,解決すべき検討課題に適用し,興味深い結果を得ることが可能かどうか検討する. この研究テーマに詳しい研究協力者と議論を行い,課題解決のためのアイディアを練る. 得られた研究成果を国内外の研究集会で発表し,離散最適化の専門家の評価を仰ぐ.
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Causes of Carryover |
新たな研究成果を得ること,および論文執筆に重点を置いて研究を行ったため,国内外の出張の回数が当初の予定より若干少なくなった.また,昨年度の残額が多かったため,その分が今年度も残ってしまった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度及び次年度得られる(予定の)研究成果を発表する必要が出てくるため,その際の出張旅費に使う予定である.
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