2016 Fiscal Year Research-status Report
多重Ambient 計算とRFID機器を用いた物流監視システム構築に関する研究
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15K00040
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
加藤 暢 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00330233)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 物流システム / 自動監視 / RFID / プロセス代数 / モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる平成28年度の実績は以下の3項目である。
1. [国際会議発表] 米国テキサス州で開催された国際会議 "The twelfth annual IEEE International Conference on Automation Science and Engineering" (査読あり) に、論文 "Integrated Development Environment for the Multiple Ambient Calculus for Modeling Freight Systems" を投稿して採録され、同会議にて口頭発表を行った。これは28年度の研究の推進方策で述べた「複雑で大規模なプロセス式を編集し実行(遷移)させながら完成させることのできる統合開発環境」に関するものである。 2. [国際会議発表] 沖縄県宜野湾市で開催された国際会議 "2017 International Conference for Leading and Young Computer Scientists" より招待講演の依頼を受け、招待講演者として本研究に関する口頭発表を "A Freight Management System with the Multiple Ambient Calculus" という題名でを行った。 3. [雑誌論文] 情報処理学会プログラミング研究会トランザクションに、論文「物流記述のための混合型時間アンビアント計算」を投稿し、採録された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、多重Ambient Calculusを用い、大規模な物流システムにおける貨物配送の監視、及び物流システムに対するモデル検査を行うことのできるシステム構築を目的としている。2年度の計画で述べた「複雑で大規模なプロセス式を編集し実行(遷移)させながら完成させることのできる統合開発環境に関し、その成果をまとめIEEEの主催する国際会議に投稿し採録されたため、米国テキサス州にて口頭発表を行なっている。 また、学会 the Asia Pacific Society for Computing and Information Technology に本研究が認められ、招待講演者として同学会が主催する国際会議 2017 International Conference for Leading and Young Computer Scientists (沖縄県宜野湾市) にて口頭発表を行った。 さらに、当初の計画にはなかったが、Ambient Calculusuを時間拡張した混合型時間Ambient計算を提案し、経過時間までを考慮した物流システムのモデル化が可能になることを示した。この成果を論文としてまとめ情報処理学会プログラミング研究会のトランザクションに投稿して採録された。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、本研究の目的である物流監視システムの完成を目指す。これまでにRFIDを用いた移動検出機能やプロセス式遷移機能など個々の機能を開発してきたが、これらを統合し貨物の取り扱いの妥当性を判定できる物流監視システムとしてまとめ、実際の物流システムに適用する実験を行う必要がある。 また、本年度開発した統合開発環境を利用して複雑な物流経路を表現できるプロセス式を作成し、より現実に即した物流の監視ができるよう本システムを改良する。 さらに、本年度提案した時間拡張したAmbient Calculus でモデル化された物流システムのモデル検査が可能となるよう、様相論理の一種であるAmbient Logicも時間拡張する。これにより時間経過までも考慮した物流システムの監視、および性質の検証が可能となる。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していたRFID機器よりも高性能な機器の発売が周知されたため、2017年度にその新しい機器を購入することができるよう、調整しました。この機器は、従来の機器に比べ使用出来るOSが新しく柔軟性があること、およびRFID機器としての基本性能(読み取り距離及び精度)が高いことなどから、本研究をより円滑にすすめることが可能と考えております。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額と本来の2017年度の助成金を合わせ、日栄インテック社製 RFD8500 を購入する予定です。本機器の予定金額: 33万円
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