2016 Fiscal Year Research-status Report
医療情報の高度利用による健康寿命予測推定モデルの構築と健康寿命の推計に関する研究
Project/Area Number |
15K00049
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
早川 岳人 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (50362918)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 健康寿命 / データヘルス / 地域づくり / 生活習慣病 / 介護予防 / 特定健診 / 介護保険 / 医療費 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一般市民の生活習慣と健診など保健事業への参加状況に基づくコホート集団を構築し、そのエンドポイントとして介護保険情報や人口動態統計情報などのデータヘルスデータを用い、壮年期、高齢者の保健事業が生活習慣病や日常生活動作、健康寿命に与える影響について考察する研究である。健康寿命の延伸は保健医療福祉分野において、重要なアウトカムであり、評価を行う上で意義は大きい。 平成28年度は、前年度に引き続き、行政と協働で介護予防事業の実践を行った。11月に市民向けの市民公開講座を開催し、地域住民の自らが寝たきりにならないように自助努力を行うことが、ひいては健康寿命の延伸につながることを、住民に働きかけきっかけづくりを行った。厚生労働省老健局が「地域づくりによる介護予防推進支援モデル事業」を実施しており、筋力をつける運動が高齢者の年齢や生活状態にあまり左右されずに介護予防に効果があり、健康寿命を延ばせることを試みた。 地域住民の健康に関わる保健医療福祉関連の構築には、研究者のみならず行政が積極的に関与することが大切であり、地域住民の生活関連情報や地域の活性化に影響をもたらす住民組織の存在など日々の活動から把握している情報との突合により、地域にあった保健事業を提示していくことが重要である。 データヘルスを始めとした医療情報をコホートデザインで前向きに追跡することにより、ライフステージにおける健康寿命の延伸に寄与する要因を明らかにしてきている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健康寿命の延伸を求める上で、行政と共に介護予防事業の実践を行った。今年度末時点で、約30万人都市において40地区(グループ)以上の実践地区を構築できた。今後は、引き続き医療情報を含めた評価を行っていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の特徴の一つとして、地域集団をベースに日常の生活習慣や保健事業等の参加状況の視点から包括的に健康寿命を把握できる点である。健康寿命の延伸は保健医療福祉の各分野の総合的な働きかけが重要であり、データヘルス(医療情報)を使用して、エビデンスを出していく方針である。
|
Causes of Carryover |
既存の医療情報を利用するにあたり、複数年のデータを集約するため、次年度に活用を行う。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
既存のデータが紙ベースのものもあり、そのデータ入力費用や、データ突合を行う上で、データベースソフトを利用する費用に使用する。
|