2016 Fiscal Year Research-status Report
多変量データにおけるベイズ型リサンプリング法の分布特性とその応用に関する研究
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15K00051
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
橋口 陽子 (小野陽子) 横浜市立大学, 国際総合科学部(八景キャンパス), 准教授 (60339140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 博樹 東京理科大学, 理学部第一部数理情報科学科, 准教授 (50266920)
中川 重和 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (90248203)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ベイズ型リサンプリング法 / 統計量分布特性 / 自動証明 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,多変量におけるベイズ型リサンプリング法の分布特性を理論的に調べること,および,自動証明 における証明方針選択へのリサンプリング法の応用を試みることである. 本年度では,国際会議において多変量データでのリサンブリング法の比較を行い,単純なブートストラップ法やベイジアンブートストラップ法がうまく機能しない場合の改良法を提案した.統計量は標本共分散行列の最大・最小固有値を用いた.正規母集団のもとでの最大・最小固有値の分布は正確な分布や近似分布が知られており,リサンプリング法の分布特性を調べるには有用であった.次に,主成分分析における固有値のモデル選択への問題を議論した.AIC 型のモデル選択基準が既に提案されており,それをリサンプリング法による統計量で置き換えた場合のシミュレーション実験である. 多変量正規のもとでのシミュレーション実験ではブートストラップ法がうまく機能しているが,母集団に混合正規分布を仮定した場合ではうまく機能しないことが分かった.統計量の構成方法および,ベイジアンブートストラップ法での改良を来年度に検討する必要がある. 最後に,自動証明における知識獲得のためのリサンプリング法の適用では,研究協力者と ともにシステムの開発を行っている.自動証明自体の開発では,徐々に証明できる定理が増えてきており,さらに,高速に知識獲得できるようになってきているが,まだ,リサンプリング法を適用する段階にはきていない.次年度の最終年度では,リサンプリング法の適用の有無による高速化の検証が課題となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題1,3はおおむね順調であるが,課題2である多変量解析におけるBBST型リサンプリング法の適用に関する研究がやや遅れを生じている.理由としては,課題1の成果導出に時間を要してしまったことが挙げられる.しかしながら,課題1の成果として,多変量正規のもとでのシミュレーション実験ではブートストラップ法がうまく機能しているが,母集団に混合正規分布を仮定した場合ではうまく機能しないことが分かったことから,適応すべき解析法がある程度絞り込める事が分かったため,遅れを取り戻し最終年度の成果報告へとつなげたい.また,研究代表者が年度途中から休職したこともあり,研究課題成果が連携できず,進捗状況の遅れに繋がった.
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Strategy for Future Research Activity |
課題1の数値実験結果を元に,BBST型統計量分布の理論特性についてまとめる. また,課題3である自動証明への知識獲得に関するBBST型リサンプリング法の応用については,証明方法獲得の実装が集合論に関しては進んでいる事から,リサンプリング法を適用する必要があるような命題(選択方針が多く存在するもの,木構造で証明体系を探るだけでは方針がたてにくいものなど)に対する実装を試みる. やや遅れている課題2については,課題1のこれまでの結果を踏まえて主成分分析における固有値の同時信頼区間の構成,判別分析における判別関数による誤判別率推定についてまとめる.
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Causes of Carryover |
研究代表者が産休・育休に入ったことにより,学会発表のために確保した旅費を使用できなかったこと,また,物品を購入してから研究に使用する期間が中断されることから物品購入を控えた事から次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
導入を控えていた計算機などを導入し,最終年度成果報告へと利用したい. また,これまでの成果報告を行うために学会発表を行うなど,旅費への利用を検討している. やや遅れている課題を推進するためには,研究分担者とのセミナーなど連携が必要である事から,旅費を活用し成果報告へと繋げる所存である.
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Research Products
(1 results)