2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K00056
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
永田 靖 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30198337)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タグチメソッド / SN比 / ロバストパラメータ設計 / MTシステム / ロバスト推定 / グラフィカルモデリング / 異常検知 / 高次元データ |
Outline of Annual Research Achievements |
SN比解析や田口流実験計画法に関連して次のような研究を行った.田口の導入したサイクリック計画を用いて,スポーツの対戦システムに関する最適性について研究した. また,工程能力指数についての概説をまとめ,発表した. MTシステムに関連して,次のような研究を行った.まず,予測手法であるT法に関連して,欠測値が生じている場合のT法の性能についての研究を行った.T法では,多くの欠測値が生じても,その性能が大きく落ちないことを示した. 次に,異常値判定に関するMTシステムの方法論に関連した研究について述べる.①スパース・モデリングを応用したMT法の研究を行った.これは,グラフィカルモデリングを用いることにより,少ないパラメータを同定して分散共分散行列を推定することにより異常検知精度を改良するものである.②単位空間が汚染されている状況に対するMT法改良手法を開発した.これはガンマダイバージェンスを用いることにより,分散共分散行列をロバスト推定することにより達成される.③高次元データに対応できるMT改良手法を開発した.次元を絞るために開発されたRT法に基づいて改良を行っている.④機械学習の方法論であるアダブーストをMT法に適用する方法を開発し,その性能評価を行った. また,異常検知の観点から,多変量管理図の研究も進めた.新たな多変量管理図を開発し,その性能評価を行った. MTシステムの研究の総合報告論文を公刊するとともに,世界的に普及しているフリーソフトのパッケージとしてMTSYSを作成し,発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SN比解析や田口流実験計画法の研究ついては,おおむね順調ではあるが,取り組んだテーマの個数が若干少なかったように感じている.一般化線形モデルに基づく動特性SN比解析に関するテーマを拡張的に研究することを考えていたが,十分な検討ができていない.また,動特性のロバストパラメータ設計を用いたポートフォリオに関する研究については,投稿論文審査過程が長引いてしまい,掲載まではまだ時間がかかりそうである. 一方,MTシステムの拡張的な研究については,十分多くの研究をこなしてきたと考えている.マハラノビス距離で用いる分散共分散行列に関するロバスト推定,高次元・小標本データへ対応できる方法論とその精度比較,データの欠測処理をT法や関連する方法を用いて精度良く行うこと,アダブーストなどの機械学習の方法論をMT法に融合させるテーマ,多変量管理図に基づく異常検知の検討など,多くの拡張的なテーマを取り上げて研究を深め,まとめあげることができた.これらの研究成果の公表については,学会発表のみで,論文の掲載までは至っていないものもあるが,それらについては,本課題の1年間の延長をお認めいただいているので,その中で結果を残していきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
SN比解析や田口流実験計画法の研究に関しては,一般化線形モデルに関する動特性SN比解析のテーマに取り組みたい. MTシステムについては,データのT法に基づく欠測処理や多重代入法に基づく方法との融合について検討を深めたい.また,方向データに基づく方法について,拡張的に取り組んでいきたい.さらに,多変量重回帰分析の定式化をT法に拡張した新たな方法を開発し,精度検討を行いたい.そして,一般に予測精度が落ちることがあると言われている不均衡データに対するオーバーサンプリングやアンダーサンプリングの研究を行い,MTシステムの拡張的な手法を開発していきたい. 研究がまとまってきているテーマについては,積極的に学会発表を続けるとともに,論文の掲載に向けて,取り組んでいきたい.
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Causes of Carryover |
論文掲載が次年度にずれ込んだ論文が2件あり,掲載料を支払う必要が生じた. 論文審査過程が長引き,掲載可能となれば,次年度に掲載料を支払う必要のある論文が4件ある. 次年度の国際会議で発表予定(発表採択済み)の研究が1件あり,その旅費などに使用する計画がある.
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