2018 Fiscal Year Annual Research Report
New Development on Information Geometry of Statistical Inference
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15K00064
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
逸見 昌之 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (80465921)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 推定関数 / プレコントラスト関数 / 捩れを許す統計多様体 / 変形指数型分布族 / 一般化最尤推定量 |
Outline of Annual Research Achievements |
確率密度関数の集合(統計モデル)を多様体と見なし、その上で統計的推論の微分幾何学的な構造を論じることから始まった情報幾何学は、これまで情報理論や最適化、機械学習などの関連諸分野に影響を及ぼしながら発展してきたが、本研究ではこれまで行ってきた共同研究を背景としながら、情報幾何学の統計科学における役割を促進させることを目的としている。まず1つの課題は、パラメトリックな統計モデルにおける推定関数から誘導される双対微分幾何構造の統計的意味の解明である。この幾何構造は推定関数から自然に定まるプレコントラスト関数を通じて誘導されるものであるが、本年度は英国St Andrews大学のPeter Jupp教授を訪問してこの問題についての議論を行い、プレコントラスト関数からは双対微分幾何構造だけでなく、シンプレクティック幾何構造も自然に誘導されることが分かった。Jupp教授はコントラスト関数(プレコントラスト関数が可積分な場合)から誘導されるシンプレクティック幾何構造を通して、統計学と解析力学の関わりついての研究を既に行っており、そのことも踏まえながら今後も共同研究を行う予定である。一方、本研究では、変形指数型分布族の情報幾何に関連する一般化最尤推定量などの統計的意味の解明も別の課題として挙げているが、本年度も昨年度に引き続き、一般化最尤推定量の漸近的性質や、そのための基礎となる大数の法則や中心極限定理の一般化に関する考察を行った。これまでに得られている結果について、本年度は、リトアニアで開催された国際学会「Institute of Mathematical Statistics」の年次大会で発表を行った。この課題についてもまだ分かっていないことが多いが、国内外の共同研究者と共に今後も研究を行っていく予定である。
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