2015 Fiscal Year Research-status Report
データインテンシブコンピューティングのためのデータバス用高スループット符号化法
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15K00071
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金子 晴彦 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70392868)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | データ圧縮 / 圧縮・伸張回路 / スループット |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模計算機シミュレーションやビッグデータ解析などのデータインテンシブコンピューティングでは,大量のデータを高速にプロセッサに供給する必要があることから,メモリバスやIOバス等のデータバスのスループット向上が求められる.本研究ではデータバスの実効スループットの向上を目的として,データバスに適した符号化技術(データ圧縮法と誤り制御符号化法)を構築する. 今年度の研究では,低遅延かつ高スループットな可逆データ圧縮アルゴリズムとして,部分一致系列が探索可能なハッシュテーブルを用いた辞書式圧縮法であるX-Hash アルゴリズムを提案した.X-Hashでは6つの辞書を用いて符号化を行う.6つの辞書のうち2つはFIFO 型の辞書,残りの4 つはハッシュテーブルを用いた辞書であり,各辞書は長さ4 バイトの情報語を16個記憶する構成とすることにより,簡易な演算によりデータバス等のデータを効率よく圧縮できるようにしている. シミュレーションによる圧縮率の評価を行い,GPGPUのシミュレータのキャッシュメモリから取得したデータおよび粒子運動シミュレーションデータに対して,提案手法は従来の高速な圧縮アルゴリズム(842B,X-Match,BΔI)よりも高い圧縮率を有し,また,LZ77と同等の圧縮率を有することを明らかにした. また,X-Hash の符号化・復号回路をVerilog で記述し,回路量と動作周波数を評価した.FPGAデバイス(28nmプロセス)をターゲットとして合成した結果,回路量は従来手法と同等であり,動作周波数116MHz,スループット3.46Gbpsを得られることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ圧縮アルゴリズムの構築と符号化・復号回路の構成に関しては,当初の想定よりも早く進捗している.高速データバスに適した誤り制御符号に関しては従来手法の調査等を行い,予定通り進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
データ圧縮法について,2015年度に提案したX-Hashを基により圧縮率とスループットが優れた手法を探求する.また,誤り制御符号について,誤り制御機能と符号化・復号演算量のバランスを考慮した新たな符号化法を構築する.
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Causes of Carryover |
2015年度はコンピュータシミュレーションにより評価を行ったため,FPGAボード等の機器購入のための支出が予定額を下回ったことによる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については,FPGAボード等の機器購入のために使用する. 翌年度分の予算は当初の計画通りに使用する.
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Research Products
(5 results)