2015 Fiscal Year Research-status Report
ユーザ再構成ハードウェアを内蔵したマイクロコンピュータの研究
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15K00072
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松田 吉雄 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (20401896)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロコンピュータ / プログラマブルデバイス / シーケンサ / メモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究計画は,マイコン周辺回路用のプログラマブルデバイスに関し、大規模メモリに適したアーキテクチャを検討し,ユーザ再構成のハードウェア部の仕様を固定することであった。この研究計画に対する具体的な検討内容と成果は以下の通りである。 (1) FPSMのアーキテクチャの再分析とマイクロ命令の体系化:FPSM(Field Programmable Sequencer and Memory)の基本となるアドレス制御を用いたアーキテクチャ上でのマイクロ命令として,分岐制御,シーケンス制御を行うためのビット配列の定義を最少ビット数(ここでは8bit以内)で実現する命令体系を構築した。この成果については学会発表を行った。 (2) メモリの粗粒度設計およびスイッチボックスの構成検討:FPSMを構成する最少単位のPMU(Programmable Memory Unit)の粗粒度設計例として512words x 523bits(26.8Kbit)のRAMを設計し,パケットフィルタを実装して,(1)で体系化した命令を利用して動作を確認した。命令セットは種々の応用においても有効であることを確認した。また,従来のスイッチボックスについては検討の結果,面積の増加に鑑み採用しない方向とした。これらの成果については,国際学会,国内学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の各項目について下記のような成果が得られており,概ね順調に進展していると考えられる。 (1) FPSMのアーキテクチャの再分析とマイクロ命令の体系化を行なった。この命令セットをベースに,いくつかのマイコンの周辺回路を実装し,シミュレーションにおいて動作を確認した。学会発表も行っており,順調に推移している。 (2)メモリの粗粒度設計(最小単位の一例)を行うとともに,体系化したマイクロ命令セットをもとに,ウイルス検出などを目的とするパケットフィルタを実装し動作を確認し,その有効性を実証した。更には,学会発表も行っており,概ね順調に推移している。 (3)スイッチボックスの基本構成を検討した結果,新しいアーキテクチャには採用しない方向とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本年度の検討事項の結果を踏まえ,アーキテクチャの改良,最適化をモデル設計ベースで進める。ハードウェア仕様を決定し,C言語によるモデルを構築する。C言語モデル上で動作するソフトウェアの開発を行い,この上に各種周辺回路を実装し,機能評価を実施する。具体的には新PMUアーキテクチャで動作させるためのシーケンス情報(マイクロ命令)とLUT情報(論理回路の真理値情報)を組込み,これらを組み合わせてマイコン周辺回路をエミュレートする。
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Research Products
(4 results)