2016 Fiscal Year Research-status Report
UNSATコアを活用した高性能論理診断手法とECOコスト削減への応用
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15K00078
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
沼 昌宏 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60188787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 修隆 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90273763)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | VLSI設計技術 / 論理診断 / ECO / SATソルバ / UNSAT / BDD |
Outline of Annual Research Achievements |
論理診断処理に関して,BDDとSATソルバを併用するとともに,ブール式が充足不能となる要因となる部分式を示すUNSATコアを活用して効果的に絞り込む論理診断手法に関して,多くの論理設計誤りを含む大規模回路に対して,短時間で効率よく修正解を求めることが可能となるような改良を加えた。具体的には,誤り可能性の指標:EPI(Error Possility Index)に基づく組合せ箇所の抽出・絞り込み処理において,従来は一つの誤り追跡入力に対する一つの不一致外部出力から設定したEPIグループのうち,EPIの総和を最小とするグループを採用して組合せ箇所の抽出処理を行っていたが,EPI値が1もしくは0.5以上の大きな値をとる箇所が残存する場合,それを含む多くの組合せ箇所が抽出される点に問題があった。本研究において,複数のEPIグループにおける各箇所に割り当てられたEPI値を平均化した,平均化グループをもとに組合せ箇所の抽出処理を行うことによって初期組合せ箇所数を大幅に削減可能となり,回路例10例に対する平均で,処理時間を99.17%短縮することが可能となった。 さらに,もとになる機能仕様が変更された際に,すでに合成された回路に対する可能な限り少ない修正によってその変更を満足させる論理再合成手法に関して,予め埋め込んでおくべき再構成可能なRECONセルの種類(2T/4T/6T)と数に関して,対象回路を用いた予備実験によって,適切なRECON埋め込みセルの構成を決定する手法を考案・実現した。合計500例に対する実験の結果,従来はセルの再割当てが不能となる例が7例存在していたのに対して,改良した手法では0例となることが確認されるとともに,再合成による遅延増加を平均で約28%抑制する効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」に述べたように,交付申請書に記載した「研究実施計画」について,ほぼ達成したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した通り,今後は論理診断手法の改良,およびマスク再利用部の改良を進める一方で,提案手法の評価と研究成果発表を中心に研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
一昨年度に約28万円の未使用額が生じたが,本年度はそのうち約半分を消化し,残る約半分が次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査・研究旅費の執行について積極的に取り組むとともに,当初の想定よりも使える金額が増えたため,設備備品費,消耗品費についても,有効に活用する。
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