2017 Fiscal Year Research-status Report
ディペンダブル・サイバーフィジカルシステムを指向した組込みLSIの動作合成法
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15K00081
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
井上 智生 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (40252829)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サイバーフィジカルシステム / ディペンダビリティ / 高信頼化設計 / 機能安全 / 高位合成 / リアルタイム性 / 耐故障設計 / 組込みLSI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,サイバーフィジカルシステム (CPS) を構成する組込み LSI の高信頼化を実現するための設計技術の開発を目指すものである.CPS では,これまでの組込みシステムと同様に,厳しいハードウェアリソース制約とリアルタイム制約があるだけでなく,大量の情報を処理する必要がある.本研究では,このような特徴を持つ CPS の高信頼性を実現するための動作モデルの構築,CPS 固有の耐故障性・故障許容性の定義,そしてそれらに基づく LSI 動作合成システムの提案・開発を目指すものである. 平成29年度は,CPS の一例として自動車の自律走行・自動運転システムを想定し,そのディペンダビリティの実現法について考察した.具体的には,自動車の組込みシステムに対する機能安全に関する国際規格であるISO26262を参考にしながら,想定される ASIL (安全度基準) に応じたフェールオペレーショナルの実現法を考案した.あわせてそれらを評価するための,サイバー空間・フィジカル空間を統合した故障シミュレーション環境を構築した.制御系内部(サイバー空間)の処理性能の低下が生じたとき,提案する耐故障・安全維持機構によって,走行速度を落として自動運転を継続できることをシミュレーションによって確認した. 当初目標では,この耐故障・安全維持機構を有するシステムの動作合成法を実装する予定であったが,その完成には至らなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
高大接続改革に係る学内業務で多忙になり,当該研究に対するエフォートを下げざるを得なくなったため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定より遅れているものの,提案するディペンダブルシステムの設計法の基本的な概念とその有効性の見積もりは完了している.設計法の具体的な実装とシステムのアプリケーションを揃え,評価実験を行うことで当初の目標は達成できると考えている.
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Causes of Carryover |
前述のとおり,当初の計画どおり研究が進まなかったため,予定どおりの助成金使用ができなかった. 研究期間を平成31年度3月まで延長し,成果目標の達成を目指す. 実験環境整備,研究会,国際会議発表,およびそれに係る実験補助等の謝金に助成金を充てる.
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