2016 Fiscal Year Research-status Report
製造過程でのトロイ回路混入を検知するLSI設計技術に関する研究
Project/Area Number |
15K00086
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
吉村 正義 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (90452820)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ハードウェアトロイ回路 / トロイ検出用回路 / LSI / 挿入箇所探索アルゴリズム / 応答圧縮回路 / ベンチマーク回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は製造後のLSI中にハードウェアトロイ回路が含まれているかを網羅的に検出するために用いるLSIに搭載するトロイ検出用回路の追加箇所を探索する手法について検討した. 昨年度,この探索手法は単純に局所的な貪欲方法を用いてたため,網羅的に検出することはできるようになったが,追加するゲート数が多くなり,面積オーバーヘッドが大きいという欠点があった.そこで本年度はこの面積オーバーヘッドを削減することを目的として,探索手法について検討を行った. 今年度はなるべく大域的に挿入箇所を探索する手法について検討した.複数の探索手法を考案し,それぞれの挿入箇所探索プログラムを作成した.それぞれのプログラムを複数のベンチマークに適用し,面積オーバーヘッドを比較した.その結果,複数の挿入箇所候補を調べて,最も良い挿入候補を挿入箇所として採択する手法が良い結果を得ることがわかった.この結果は,昨年度の手法と比べて,面積オーバーヘッドを半減させることができた. また多数の入力に対する出力応答の圧縮回路についても検討を行った.圧縮回路が持つべき性質として,圧縮回路への入力系列の細かな違いを圧縮することによって,必ず同一の出力とならない性質が必要であることがわかった.この性質は現代の暗号処理に求められている性質である.暗号処理の考え方を本課題に応用することで,必要な性質を持つ圧縮回路の作成が可能になることがわかった. 次年度はより効率的な挿入箇所を探索する手法の考案,具体的な圧縮回路の検討と評価及び順序回路を網羅的に検査する手法の検討と評価を行う.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた応答圧縮回路の作成が完了していない.この遅れを取り戻す必要がある.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度開発した効率的な挿入箇所を探索する手法を完成させ,ベンチマーク回路だけでなく,回路規模の大きな回路での面積オーバーヘッドを確認し,大きな回路への影響度を確認する.次に今年度検討した圧縮回路について,暗号処理の考え方を応用して,本課題に適した圧縮回路の検討を行う. また検討した圧縮回路を実回路に適用し,網羅的な入力を印加した際に,出力応答を圧縮することでトロイ回路の見逃しが起こりうるかを調べる.もちろん様々なトロイ回路に対して,見逃しが起こりえないような圧縮回路を開発する. さらに順序回路の等価性を判定する手法の検討も併せて進める.
|
Causes of Carryover |
研究の進捗の遅れにより,対外発表が少なかったため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
対外発表用の旅費として使用する.
|
Research Products
(4 results)