2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00088
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐伯 元司 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (80162254)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 要求工学 / ゴール指向要求分析法 / プロブレムフレーム / メトリックス / 発想法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究実施計画に従って,これまで挙げた成果のレビュー,評価を行い,各々の成果を統合・融合化する方針で研究を進めた。 1) 多次元ゴール指向分析法:関心事ごとに詳細化を行うゴールグラフの管理法や全体を表すゴールグラフへの統合法のアルゴリズム,支援ツールを開発した。特に,関心事間に依存関係がある場合は,あらかじめその依存関係を定義しておき,それに従い詳細化をガイドしたり,統合法を変えたりする手法を新たに考案した。ビジネスプロセスやテスト仕様での事例を収集し,その評価を行い,有用性を確認した。2) ゴール詳細化の支援:GQM法を用いて開発した不適切なゴール詳細化を発見するためのメトリックスの前年度の成果に加えて,ゴール記述の意味に関連したメトリックスを開発し,ツールに組み込んだ。この手法は記述を格構造に変換し,その構造や使用されている語句の類似度を用いて意味的な類似度を計算する手法である。そのために,格構造辞書,概念階層辞書などの知識ベースの増強も行った。3) 発想法との融合手法の開発:これまでゴール指向法とプロブレムフレーム法との融合を進め開発してきたが,プロブレムフレームの文脈図を問題自身が判明していない段階で構築しなければならないという弱点があった。これを補うためKJ法などの発想法で使用する概念グラフをまず作成し,それから文脈図,ゴールグラフ,ユースケースを作成していく,発想法との融合手法を開発し,ツールを拡張した。このツールでは,発想法を使って得た概念のグラフ表現をゴールグラフへと半自動で変換する機能を実装した。これにより,発想法の概念グラフと文脈図を併用しながら,ゴールグラフやユースケースモデルの構築が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画はほぼ達成できたが,計画が進むにつれ,1)新たな意味的なメトリックスの採用,2)発想法との融合,といった提案手法をより効果的にするための技術が新たに判明し,その開発と支援ツールとして実現する作業をあわせて行った。そのため,手法やツール全体の総合評価は次年度以降に持ち越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに追加された研究項目1)ゴール詳細化への意味的メトリックスの活用,2)発想法との融合,について支援ツールは今年度で開発されているため,事例を収集し,支援ツールを用いて,評価を行い,全体の最終的な評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初立てた研究計画が進むにつれ,1)新たな意味的なメトリックスの採用,2)発想法との融合,といった技術が,提案手法をより効果的にすることが判明し,今年度はこれらの新しい技術を支援ツールとして実現することもあわせて行った。次年度は,これらの機能を取り入れた支援ツールは開発が終わっているため,事例を収集し,支援ツールを用いて,評価を行い,全体の最終的な評価を行う。そのための,謝金や成果の発表等に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)