2015 Fiscal Year Research-status Report
議論学を応用したソフトウェアインテグリティレベルの提案
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15K00100
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| Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
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Principal Investigator |
高井 利憲 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 特任准教授 (10425738)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和子 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30330400)
松野 裕 日本大学, 理工学部, 准教授 (70534220)
木藤 浩之 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90705287)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | アシュアランスケース / 議論フレームワーク / リスク共有 / 消費者向けシステム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
議論学を応用したインテグリティレベルを提案するにあたり、以下を実施した。
1. 反論などを記述可能なアシュアランスケースの表記法として提案している撤回可能ゴール構造表現の意味を記述可能な枠組みとして、双極木議論フレームワークを提案した。これは、Dungの議論フレームワークに対して、反証と支持の両関係をもち、複数の意見が存在してはじめて成立する反証と支持、それらの関係に対する異議申し立てなどを同時に表現できる枠組みである。ただし、本フレームワークの上での無衝突性や各種拡張の定義は今後の課題として残った。
2. 上述双極木議論フレームワークに基づき、撤回可能ゴール構造表現で記述されたアシュアランスケースの合成手続きを提案した。まず、アシュアランスケースの合成が満たすべき性質を提案し、それらを満たす撤回可能ゴール構造条件の十分条件を一つ示した。以上1及び2の結果は、議論学に基づいたソフトウェアインテグリティを提案するにあたり、インテグリティレベルの分配手法を与える上で基礎となるべき結果である。
3. 消費者向け製品のための効果的なリスク共有手法にむけた取り組みについて発表した。従来産業界でリスク共有のために使用されているアシュアランスケースに対して、(a) 構造化された表現が消費者に馴染みがないこと、及び(b) 記述が巨大になりうること、といった問題点を解決することにより、消費者に対してもリスク共有が可能となるような手法の提案を目指す研究である。本研究においても、議論学を応用して記述された議論の記述を含むアシュアランスケースから、議論の情報を用いて消費者に提示する情報を抽出するものである。本研究3は、リスクレベルの共有という役割を持つインテグリティレベルの応用範囲を広げる研究として位置づけられる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度の計画は、ゴール構造表現の拡張とツール化、その評価、及び、議論の合成に関する代数的モデルの構築であった。本年度の進捗は以下の通りである。
1. ゴール構造化表現のツール化はおおむね完了している。ただし、公開するまでには至っておらず、現在企業にも協力を仰ぎながら事例を作成しているところである。
2. ツールの評価については、定量的な実験等は実施していないが、企業の協力を仰ぎ、事例を作成することにより、定性的な評価が得られることを期待している。
3. 議論の合成に関する代数的モデルの構築に関しては、撤回可能ゴール構造化表現の意味を記述可能な枠組みとして、双極木議論フレームワーク（Bipolar multirelational evidence-based argumentation framework）を提案した。これは、Dungの議論フレームワークに対して、反証と支持の両関係をもち、複数の意見が存在してはじめて成立する反証（attack）と支持（support）、それらの関係に対する異議申し立てなどを同時に表現できる枠組みである。双極木議論フレームにワークに基づくアシュアランスケースの合成手続きを提案した。この合成演算は代数的モデルの構築の端緒である。
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| Strategy for Future Research Activity |
合成に基づくアシュアランスケース集合の意味論を解明する。具体的には,平成27年度に得られた撤回可能ゴール構造化表現のツール及び双極木議論フレームワークに基づき定義されたアシュアランスケースの合成に関する代数的性質を明らかにし、アシュアラン スケースにおける議論の合成の議論学に基づく意味論を定義する。ここでは、H.Prakken ら が提示している累積的議論が満たすべき性質に検討を加え、議論の冗長化に基づくインテグリティレベルの分配手法の基礎となる要件を与える.
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| Causes of Carryover |
予定していたPCについて、現状まだ秘密情報を扱っていないため、今年度の購入は見送った。また、国際会議についても、予定していた会議に投稿できなかったため、参加を見送った。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
秘密情報を扱うPCを購入する。
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