2016 Fiscal Year Research-status Report
並列分散エミュレーション環境における通信ノード間のイベント同期改善方式
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15K00117
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
大坐畠 智 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30361744)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 並列分散エミュレーション / 無線ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
無線LAN基地局が多数、かつ、密に設置されるようになり、無線通信システムが大規模化している。そのため、評価環境であるエミュレータも並列分散システムを用いるようになってきている。しかし、無線ネットワークの並列分散エミュレーション環境における無線LANのプロトコルのモデリング方式が、並列分散処理の高速化のみを考慮し、エミュレーション動作の因果関係を保つために必要な 同期が省略されていたため、得られた結果が不正確になる問題がある。そこで、本研究では、無線LANのプロトコルのエミュレーションを並列分散において計算速度を落とさずに正確に動作を行う同期方式、および、プロトコルのモデル化方式を開発する。提案方式を並列分散環境に実装し、評価を行う。 課題1の並列分散環境におけるCSMA/CAに必要な論理プロセス間の事前同期の複数ホップへの拡張をおこなった。CSMA/CAの簡易モデルでの衝突の判定、再総回数は、フレームを受信するそれぞれの端末で乱数を用いて行われる。そこで、提案している方式では、1ホップ隣接する端末で判定に必要な情報をフレームに乗せ、かつ、判定に必要となるチャネル利用率を前もって共有することで、それぞれの端末で独立に判定をしても、同一の結果が得られる。現在、提案している方式は、1ホップ環境のみのため、複数ホップに拡張するために必要なことを明らかにし、方式の提案、実装、評価を行う。 平成27年に、衝突判定等をするに必要な、乱数をそれぞれの端末でのチャネル利用率を隣接端末で共有する必要があるため、どの範囲の端末間で、どのようにこれらの値を共有する必要があるのかを明らかにした。並列環境に方式を実装し、矛盾のない動作、性能の基礎評価を行った。 平成28年度では、前年度の方式を改良することで、スケーラビリティの向上を目指した。本方式の実装はおおよそ終わり、現在、評価の最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度に提案した方式の実装方法を改良して、性能の向上させる方式を考案した。研究員を雇用することで、提案方式の実装、実験を順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度の改良方式のスケーラビリティ・オーバヘッドの評価を行う。さらにオーバヘッド削減方式を検討する。
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Causes of Carryover |
H27年度に、研究員を雇用するように研究計画を変更したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度に変更した通りに使用する。
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