2016 Fiscal Year Research-status Report
IPv6時代におけるネットワーク状態評価手法に関する研究
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15K00118
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北口 善明 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 助教 (30537642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 知洋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60588242)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ネットワーク計測 / IPv6 / デュアルスタック / ネットワーク接続性 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、昨年度定義したネットワーク接続性の階層的な評価に必要な計測レイヤと計測手法を、開発したプロトタイプ実装を用いた評価実験により有効性の評価を進めた。 今年度の評価実験では、ユーザ環境を定常的に計測するためのセンサデバイスへの応用と無線LAN環境の品質評価手法に焦点を当てた。センサデバイス対応としては、Raspberry Pi端末への実装を行い、無線LAN環境の品質評価手法の研究としてNFDFの再送値を用いた評価手法に着目し、我々が構築したセンサデバイスを利用した評価実験を実施した。評価実験は7月に開催されたJANOG38ミーティングにて実施し、この評価結果は、12月に開催された情報処理学会インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS)2016にて発表した。 また、センサデバイスを用いた評価実験を1月のJANOG38ミーティングおよび3月のWIDE研究会においても継続的に実施し、継続的な運用評価と無線LAN品質評価に関してデータ収集を行なった。合わせて、提案手法の有効性を評価するために、幅広い環境での利用が重要と考え、作成したプロトタイプ実装を研究者コミュニティに対して公開をおこない、実際に使用した上でのフィードバックを募集した。また、ここでの使用実績・結果を元に一般への公開を検討している。各OS上で動作する診断用スクリプトを OSS で公開し、特にセンサデバイスであるRaspberry Piに関しては、Raspbian OSのイメージを作成した上での公開を検討している。また、計測結果を収集する情報収集用サーバの構築に関しても構築の自動化を図り、情報収集用サーバのポータビリティ性向上に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、「複数の端末向けアプリケーションを用いた評価実験」を予定していた。前年度に必要と判断して追加した無線ネットワークに関する評価手法に取り組み、センサデバイスによる評価実験を進めることができた。評価実験により、提案手法に残された課題が整理され、今後の実装に対するフィードバックが得られ、研究の有用性をより高めることができたと考えている。 ただし、想定していたスマーフトフォン向けのアプリケーション開発ができていない状況で、これは次年度移行の課題としている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は概ね予定した計画通りに進んでいるが、アプリケーション開発において遅れが生じている。ただし、提案手法の有効性を示すことにおいては、スマートフォンアプリの開発は必須ではないと考えているため、評価手法において必須となる無線ネットワークにおける評価手法およびセキュリティ課題に対する取り組みを優先させて進めることにしている。
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Causes of Carryover |
研究計画の変更に伴い、平成28年度の予算に計上していた物品購入を大幅に縮小したため、予算が残ることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に持ち越した金額を、研究成果の展開に利用するために利用することを想定している。研究成果に必要な標準化活動および成果発表を、特に海外展開することにし、その経費に充てる予定にしている。
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Research Products
(4 results)