2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00121
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
敷田 幹文 北陸先端科学技術大学院大学, 情報社会基盤研究センター, 教授 (80272996)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | データセンター / 運用管理 / ノウハウ共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大規模な情報システムの構成情報,稼働状況,熟練技術者の操作内容を元に管理ノウハウを自動的に収集し,非熟練技術者の操作時に蓄積されたノウハウから適合するノウハウを自動提示する方式を研究する. 我々の社会のインフラとなっている情報システムは集中化が加速しており,大規模なサーバー・ストレージを集約するデータセンターでは運用管理が極めて困難化している.また,複雑化したシステムの運用管理では豊富な経験が重要であり,技術者の高齢化が進んでいる.情報システムは今後益々大規模で複雑化するが,従来の技術で安定した運用を行うことができない.しかし,本研究の成果を適用することでこれまで以上に大規模なデータセンターを構築しても効率的な運用管理が可能となり,大規模な障害を防止する効果も期待できる.また次世代の技術者育成にも大きく貢献できる. 今年度は,システムを構成する各部品(ハードウェアおよびソフトウェア)の構成情報を収集し,これを抽象化する方式の検討を行った.構成情報の収集までに関しては従来研究で既にアルゴリズムを確立していた.しかし,大規模データセンターではスケールアウト型の拡張が大きいため,1つのノウハウは多数の類似部品に有効である.類似性の判定はノウハウ共有を行うために極めて重要であるため,ノウハウ化の際に操作した熟練技術者が経験に基いて判断を行い,システム各部品の依存関係図上で類似度判定に用いる範囲を指定する.システムはこの範囲に基づいてノウハウの共有を行う.いくつかのシステム例を想定して,ノウハウ共有が行われる範囲を試算し,提案方式の妥当性を評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,初年度(平成27年度)に実験環境の構築を開始する予定であった.この実験環境は,最終的な評価実験を行うのみではなく,各部分アルゴリズムの動作実験の実装環境でもあるため,初年度から段階的に構築を行う必要があると考えていた. しかし,実際には,今年度に提案したアルゴリズムでは,最終実験環境ではなく,このアルゴリズムのみを処理するソフトウェアの作成だけで評価できることが判明したため,実験環境の構築は次年度以降に延期し,今年度は提案アルゴリズムの検討と評価に専念した.
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Strategy for Future Research Activity |
蓄積されたノウハウから管理者が行おうとしている作業に適合するノウハウを抽出し,自動的に提示する方式の検討を行う.システムにとって管理者である人間の思考内容は不明であるため,操作内容と稼働状況,さらに現在の操作対象部位とノウハウ記録時の部位の類似度から各ノウハウの必要度を算出し,候補となるノウハウを決定する.また,実験環境の構築を行い,評価実験用のノウハウ共有支援ツールの実装も行う.
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Causes of Carryover |
当初計画では,初年度(平成27年度)に実験環境の構築を開始する予定であった.この実験環境は,最終的な評価実験を行うのみではなく,各部分アルゴリズムの動作実験の実装環境でもあるため,初年度から段階的に構築を行う必要があると考えていた. しかし,実際には,平成27年度に提案したアルゴリズムでは,最終実験環境ではなく,このアルゴリズムのみを処理するソフトウェアの作成だけで評価できることが判明し,またその動作には現有設備のみで充分であったため,実験環境の構築は次年度以降に延期した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
総合評価を行うまでには実験環境の構築が必要であるため,平成28年度以降で実験に必要な機材の購入に使用する.
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