2015 Fiscal Year Research-status Report
微弱電波を活用した多重周波数によるセンサネットワークの構築
Project/Area Number |
15K00132
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
瀬川 典久 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (20305311)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | センサネットワーク / ソフトウェア無線 / 位相同期回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存のMAD-SSは、TCXOで基本周波数を作成し、3逓倍もしくは、9逓倍を行い、搬送波を作成していた。しかし、この方法はTCXOを交換しないと、周波数を変更することは不可能で有り、多重通信を実現するには、多数のTCXOを利用した回路を制作する必要があり、現実的ではなかった。そこで1年目は、次の3点に重点を置き、研究を進めた。 1.GNU RADIOによる、MAD-SS通信の実現手法の調査:ソフトウェア無線の一手法であるGNU RADIOを用い、多重通信する手法を検討した。特に、周波数帯域が10MHzを超える場合の処理方法について、FFTの処理量が、演算能力を超えてしまう可能性が有り、その部分について詳細な検討が必要なことが分かった。 2.位相同期回路(PLL回路)による、周波数変更手法の検討:TCXOを使わず、PLLによって送信機を構築する手法を研究協力者と共に検討を行った。TCXOを利用した場合に比べて、温度による周波数安定度を得ることが難しいと考えている。今後は、利用する場面を考慮しTCXO利用の場合と同じレベルの性能を目指す。 3.Linux でのMAD-SSの受信プログラムの開発およびFPGA Linuxの利用の検討:MAD-SSは、Windowsのみで動作していたが、汎用Linux(組込Linuxではない)での動作を行えるように、ソースの見直しを行い、移植作業を行い、動作確認を行った。ソフトウェア無線のハードウェアにFPGAが搭載されるようになってきているので、FPGA Linuxでの動作を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在所有しているGNU RADIOの装置では、処理速度が間に合わない事が分かってきた。根本的にやり方を変える必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
FPGAを利用したGNU RADIO送受信装置を用いたMAD-SS送受信システムの確立を急ぐ。特に、FFTの処理速度をFPGAのスピードでカバーする手法を早急に検討する。
|
Causes of Carryover |
岩手県立大学から京都産業大学に異動したとき、研究室立ち上げとした、京都産業大学でソフトウェア無線の実験装置を用意していただいた。そのために、科研費で実験装置を購入する必要がなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ただし、実績にも書いたとおり、用意した装置では処理速度が間に合わない恐れが出てきたため、2016年4月発売の装置で再実験を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)