2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00163
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小柳 滋 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60351326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孟 林 立命館大学, 理工学部, 助教 (60615938)
中村 健二 大阪経済大学, 情報社会科学部, 准教授 (70556969)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ビッグデータ / GPU / FPGA / パターンマッチ / クラスタリング / バースト解析 / 甲骨文字認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ビッグデータ分析のリアルタイム処理基盤の確立を目指している。そのアプローチとして、GPUやFPGAを用いたハードウェア支援の研究と、リアルタイム制約のもとで最良の結果を得るためのソフトウェアの研究を融合して、ハードウェアとソフトウェアの協調によるビッグデータ分析のプラットフォームを構築することを目指している。平成27年度は初年度として、ハードウェア、ソフトウェアとも基礎的な研究を行い、またこれらと並行して、実ビッグデータへの応用の研究も行った。 ハードウェアに関しては、ハッシュを利用したBloom Filterと、非決定性オートマトンを組み合わせたパターンマッチング方式の検討を行った。また、GPUを用いたデータマイニングアルゴリズムとして多次元クラスタリング(CLIQUEアルゴリズム)を取り上げ、その高速化の検討を行った。その結果、ビッグデータ分析におけるハードウェア支援の有効性に関して見通しを得た。 また、クラスタリングとパターンマッチング技術を応用して甲骨文字の認識に取り組んだ。甲骨文字は劣化が激しいため従来技術では認識が困難であったが、構成要素に直線が多いという特徴を利用した新しい認識方法を提案し、評価実験により良好な結果が得られた。この成果は、画像電子学会の論文として採録された。 ソフトウェアに関しては、イベントの急激な変化を迅速にとらえるリアルタイムバースト検出手法を拡張して、リアタイムでのバースト解析を実現するアルゴリズムについて研究を進めた。また、データ量やデータの特徴に応じて効率よくバーストを解析するためのパラメータの設定方法について検討した。さらにこの手法を拡張して実際のビッグデータに適用するため、マイクロブログやWebアクセスログの収集を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハードウェアに関しては、フィルタリングやクラスタリングなどビッグデータ処理の基本となるデータマイニングアルゴリズムのハードウェア支援の方式について見通しが得られるとともに、研究成果の応用への適用を進め、甲骨文字認識において従来方式を上回る性能を達成し、順調に成果が出ている。 ソフトウェアに関しては、リアルタイムバースト解析手法の研究を進め、実用上の課題の一つであったパラメータの設定方法が明らかになった。また、データ収集のための仕組みを開発し、Webアクセスログおよびマイクロブログの収集を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
ハードウェアに関しては、引き続いてデータマイニングの基本アルゴリズムのハードウェア支援の方式について研究する。さらに、高速処理が要求される現実のビッグデータでは画像を取り扱うことが多いため、リアルタイム画像処理技術を含めたビッグデータ処理に取り組む。応用としては、甲骨文字認識を発展させた画像の劣化に着目した分野や、ITS等に取り組む。
ソフトウェアに関しては、27年度に引き続いてリアルタイムバースト解析手法の高度化に取り組む。28年度は、基本となるpyramidデータ構造間の関連について研究する。実際のビッグデータとしてWWWアクセスログや、マイクロブログの履歴を対象とし、pyramid構造における時系列の特徴を抽出し、これらの関連を調べることによりビッグデータを解析する手法の提案に取り組む。
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Causes of Carryover |
ハードウェア研究に関して国際学会への発表を予定していたが、スケジュールの都合で平成27年度は見送った。 ソフトウェア研究に関してデータの収集に想定以上の時間を費やしたため、応用研究の開始が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は確実に国際学会への発表を行い、繰越金を使用する。また、28年度は収集したデータを用いた分析に繰越金を使用し、応用研究を進める。
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Research Products
(2 results)