2015 Fiscal Year Research-status Report
動的システム再構成に基づくディペンダブルな並列ボランティア計算基盤
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15K00171
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福士 将 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (50345659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 亨 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 准教授 (80222652)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ディペンダブル・コンピューティング / ハイパフォーマンス・コンピューティング / 情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
ディペンダブルな並列ボランティアコンピューティング(VC)の実現に向けて,ノード(クライアント)の離脱に対処するノード群選択手法を考案し,プロトタイプシステムの開発およびアプリケーションプログラムの並列化を行った. 1.ディペンダビリティ要求を満たすノード群の選択手法の開発:各ノードの信頼度と離脱率を考慮しながらジョブの完了確率を推定するアプローチにより,要求を満たすノード群を選択可能にする手法を考案した.本手法を用いることで,ノードの離脱が発生した場合でもジョブの再実行を抑制でき,VC全体の完了時間を約60%削減可能なことを明らかにした. 2.並列VCシステムのプロトタイプの開発:VCの実行に必要なVCサーバとクライアントプログラムの開発を行った.VCサーバは,内部の処理の待ち時間を削減するために,各処理をマルチスレッドで並行化する構成とした.本サーバを用いることで,VCの基本的な処理が実行できることを確認した.また,クライアントプログラムには,離脱の発生に対処するために,ノード群の間で冗長な通信グループを形成し,動的に再構成を行う機能を導入した.これにより,ノード間の通信環境を維持できることを確認した.これは,ノードの離脱が発生する不安定な環境において,通信を伴う並列処理を実行可能にするものである. 3.アプリケーションプログラムの並列化:VCの実アプリケーションとして三次元形状復元処理を対象に,並列化手法を提案した.本手法は,計算処理におけるデータアクセスパターンの偏りに着目して,データ分割を行う.クラスタ計算機を用いた性能評価により,単純な並列化手法と比較して,通信時間と使用メモリ量を大幅に削減可能なことを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は,ノード群の選択手法の開発とアプリケーションプログラムの並列化であり,これらは上記で報告した通り,概ね順調に展開しているものと考える.ただし,後者においては,VCで実行させるための並列ジョブの生成方法を検討する必要があり,次年度で引き続いて行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
提案しているノード群選択手法を並列VCのプロトタイプシステムに組み入れ,実性能の評価と改善を行う.本システムで実現する動的再構成機能について,ノード数に対する再構成時間や可用性など,詳細な性能評価を行う.さらに,本システムを組織内のネットワーク上に展開し,アプリケーションプログラムを用いたVCの実性能を明らかにする.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,主に,開発・評価用機器の変更による.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度(平成28年度)では,通信データの計測・収集のために計算機を1台購入する予定である.また,国内外の学会での成果発表のために旅費を使用し,通信データの計測・解析のために謝金を使用する.前年度の未使用額は,研究打ち合わせのための旅費として活用し,研究を推進する予定である.
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Research Products
(11 results)