2015 Fiscal Year Research-status Report
医療ビッグデータのプライバシー保護ロジスティック回帰の研究
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15K00194
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
菊池 浩明 明治大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20266365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
康永 秀生 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90361485)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プライバシー / 秘匿計算 / 疫学 / ロジスティック回帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は主に次の4つの課題に着手した.また,菊池及び康永,橋本(連携者)との打ち合わせを何度か行い,各実施状況の進捗度合いをチェックしつつ共同研究を進めた. 1. 医療情報DB整備および環境整備.ロジスティック回帰の実験に必要な医療データの属性を選択し,現実の医療データベースの統計量を考慮しながら,分担者が所属する東京大学に実験用疑似データベースを構築した.また実験対象とする医療術式の種類を検討し,実験結果の検証が容易なものを選定した.心筋梗塞に有無と腎不全,肝臓障害などに関する情報の2種類のデータセットを用意した.2.PPDMプロトコルの調査・研究.文献や国際会議論文を中心として,これまでに開発されているPPDMプロトコルを精査し,本研究の適用可能性を比較検討した.暗号計算の為の開発環境を整え,暗号化の予備実験を行った.3.ロジスティック回帰の調査研究.文献や国際会議論文を中心として,多重ロジスティック回帰を計算する数値計算手法を調査し, 多大な計算コストのかかるPPDMに適しているアルゴリズムを選出した.その結果,従来用いられていた最急降下法(GDC)に対して,反復再重み付き最小二乗法(IRLS)が適していることが明らかになった.4. 秘匿ロジスティック回帰プロトコルの開発.上記2, 3で調査したアルゴリズムや要素技術を基にして,秘匿ロジスティック回帰の為の暗号プロトコルの構築を開始した.今後は,要求条件を満たす様に,同期通信の方式や秘匿しながらのパラメータの更新方式などを研究開発していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り4つの課題に着手し,その検討の一部を学会発表しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,より大規模なデータに対して計算可能であることを示し,その結果を国際会議等で発表していく.
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Causes of Carryover |
初年度の為,計画していた使用額を正確に見積もることが困難であったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表旅費に利用予定である.
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Research Products
(1 results)